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Netflixの大規模リストラはなぜ成功した? 日本企業には真似できない大きな差レイオフ・サバイバー(3/4 ページ)

パナソニックが1万人の人員削減を発表した。リストラは、された側だけでなく、されなかった側にも大きな傷を残す。今回は、米Netflix社の成功事例を参考に、日本企業のリストラとの向き合い方を考える。

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日本企業とNetflixの違い

 黒字リストラを進める日本の企業は、それが組織に良い影響をもたらすと信じて人材削減を行う。その点はNetflixと同じだが、だからといって同じような効果を得られると考えるのは気が早い。

 なぜなら「経営状態が悪くなくてもリストラがあり得る」というのは、いつ自分がリストラの対象者となるか予測がつかないということでもあり、それが余計にレイオフ・サバイバーを不安にさせるという可能性があるからだ。AIやロボットの活用でいずれは省力化が見込まれるとしても、実際にそうなるまでは残った社員の業務負担が増すなど、状況が良くならないことも十分に考えられる。

 Netflixのレイオフ・サバイバーたちがそのような不安や負担を感じず、むしろ前向きなパワーを発揮したのは、残る社員たちの能力や仕事への情熱が圧倒的に高かったことが大きい。「次は自分の番かもしれない」と怯えるような人があまりいなかったと考えられる。

 また、同社では社員の能力や倫理観を信頼し、最大限の裁量を与えている。辞めた人の分の仕事をカバーするにしても、同じやり方を踏襲する必要がなく、無駄な仕事は廃止したり、必要な仕事もより効率的な方法に変えたりしやすいはずだ。それゆえに、レイオフ・サバイバーが抱える一般的な問題と無縁でいられるのだろう。

 日本の多くの企業は、他社より高い給料を出してでもハイパフォーマンスの社員だけを雇うことを追求していないし、社員への権限委譲も限定的だ。そうなるとやはり、Netflixと同じような結果は期待できない。

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