インタビュー
「青春18きっぷ研修」その後どうなった? 3年目で見えてきた本当の効果(5/6 ページ)
山陰パナソニックは、新入社員に青春18きっぷでの一人旅を課す「サンパナジャーニー」を通じて、主体性や計画力を育む独自研修を実施している。リアルな体験を重視し、3年かけて成長を促す育成体系が注目を集めていて……。
「点」ではなく「線」の研修体制を構築
山陰パナソニックは、サンパナジャーニーを3年間の社員育成プログラムの一部として位置付けている。この研修を単発の「点」として捉えるのではなく、一人の社員が3年かけて成長する計画の一環と考え、継続的につながる「線」の育成体系を目指している。
2年目には「社長のカバン持ち研修」と題して、一日中社長と行動を共にして経営者の視点を学ぶ場を提供。「木ではなく森を見る視点を2年目に入れることで、これまで学んできたことの曇りが晴れていく」と船井氏は狙いを説明する。今年度から3年目の社員向けに、半年から1年かけてチームで取り組む研修の導入を予定しており、会社への帰属意識を高める狙いだ。
船井氏は「研修を体験した社員の中から責任者クラスに昇格する人が増えれば、自然と会社の風土も変わっていく」と展望を語る。
また、東京学芸大学や松下政経塾と協力し、「変人類学プロジェクト」という企画も実施している。「変人」とは、標準の価値観に左右されず、変化に対応できる人材を指す。
現代の若手社員が持つ「プロセスを踏まずに答えを求める傾向」に対応するプログラムを開発し、県内外でさまざまなフィールドワークを行っている。めまぐるしく変化する現代社会の中で既成概念にとらわれず、適応できる人材の育成を目指す。
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