神戸市のタワマン空室税、議論の行方は?(4/4 ページ)
投資目的の購入などでタワーマンションの空室が増える懸念を踏まえ、空室への課税の是非を議論する神戸市の2回目の検討会会合が28日、開かれる。
国民民主党は「空室税」を公約
空室の増加に課税で対応しようという動きが広がり始めている。20日に投開票がおこなわれた参院選では、国民民主党が公約で「空室税」の導入を打ち出した。
同党はマンションの価格や家賃が大都市で高騰しており、「安心して住み続けられないとの不安が広がっている」と指摘。「外国人による不動産取得が、この不動産価格の上昇の一因とされている」とした。
そして、「国民の手取りを増やすため、不動産価格や家賃の高騰を抑制する」と言及。「外国人による居住目的ではない投機目的の不動産取得に対し追加の税負担を求める『空室税』の導入などを検討する」と訴えた。海外でもカナダで同様の税があるとした。
神戸市では1月、別の有識者会議がタワマンの空室に対する新税の創設を提言し、検討会はその当否を話し合うためつくられた。
問題視しているのは、投資目的の購入などによりタワマンの空室が増えかねないという市の現状。報告書では、空室が増え所有者に連絡がつかないケースが多くなれば修繕や解体の合意が難しくなり、最悪の場合、「廃虚化」する恐れがあると懸念している。
5月30日の検討会の初会合では、課税目的の明確化を求める声のほか、課税という手段が本当に必要なのか、同様の問題を抱える大規模マンションも対象にするかの議論などが必要との意見も出た。部屋の居住実態を調べるため、水道メーターをチェックするアイデアも提案された。
タワマンは全国で増えており、東京カンテイの調査によると、昨年44棟が竣工し、12月末時点で1561棟に達した。今年は41棟の竣工が予定されている。タワマンの問題は全国でも予想され、神戸市の課税のありようは今後のモデルケースとなる可能性もある。
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