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「休憩ほぼなし、休日勤務が当たり前」 教員5200人調査が映す“過酷すぎる日常”

小学館が運営する教員向けWebメディア「みんなの教育技術」が実施した調査では、教員の約9割が休日勤務を経験していることが明らかになった。時間外勤務が発生する理由とは?

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 教員の長時間労働が常態化している。小学館が運営する教員向けWebメディア「みんなの教育技術」が、現役教員約5200人から回答を得た調査結果では、教員の約9割が休日勤務を経験していることが明らかになった。休日などの時間外勤務が発生する理由とは?

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教員の勤務実態のリアル(写真AC)

休憩時間「ほとんどない」65%

 平均勤務時間について、8割以上が1日10時間以上働いていることが明らかになった。さらに、4人に1人が12時間を超えて勤務し、勤務時間の平均は11.17時間、中央値は11時間となった。法定の勤務時間を大きく上回る働き方が常態化している可能性がうかがえる。

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平均勤務時間(小学館調べ)

 回答者からは、

  • 仕事量が多すぎてストレスと疲労がたまり、育児が思うようにできない。仕事へ対する意欲も湧いてこず、子育て中だとさらにつらさを感じる(30代・女性)
  • 多忙を感じるとき、行事を精選したいと訴えても管理職からOKがでないときなど、なりたい職業に就いたはずなのに「辞めたい」と思うくらい仕事がさばけない(40代・女性)

――といったコメントが寄せられた。

 休憩時間は「ほとんどとれない」と回答した人は全体の65.6%(3522人)に上った。「15分未満」と回答した人と合わせると85%近くが、まともな休憩を取れていない実態が明らかに。労働基準法が定める45分以上の休憩を確保できている人は、全体の1.5%にとどまった。

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取っている休憩時間(小学館調べ)

9割以上が持ち帰り残業か休日勤務

 半数以上が週3日以上の「持ち帰り残業」をしていることが分かった。回答者からは、

  • 学校では集中できないので持ち帰って行わざるを得ない
  • 家庭の事情で早く帰らなくてはならないが、仕事が終わらないのでやらざるを得ない

――という声が多く見られた。

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持ち帰り残業をどれくらいしているか(小学館調べ)

 約9割が休日にも業務を「行っている」と回答した。持ち帰り残業も休日勤務も「ほとんどない」と回答した人は401人と1割程度にとどまり、9割以上が持ち帰り残業か休日勤務、あるいはその両方をしていると考えられる。

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休日勤務をどれくらいしているか(小学館調べ)

なぜ時間外勤務が発生するのか

 時間外勤務が発生する要因については「1日の業務量がそもそも8時間以内にできる設定ではないため」が最も多い回答となった。「授業準備や記録は平日の日中に集中して取り組めないため」「会議や打ち合わせが放課後に設定されているため」と続いた。また、有効回答数のうち、89.4%が複数の要因を選択し、解決の難しさがうかがえる結果となった。

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時間外勤務が発生する要因(小学館調べ)

 勤務時間の長さ以外で、つらさを感じる瞬間について、最も多かったのは「保護者から理不尽なクレームを受けている時」となり、約4割を占めた。その他「目的のはっきりしない会議に参加している時」「教材研究の時間が取れず十分な授業準備ができない時」といった回答が挙がった。

 一方で喜びを感じる瞬間については「子どもの成長」「授業の手ごたえ」「楽しさ」といった声が多く寄せられた。

 自治体などで行われている、外部人材による学校支援について、「とても満足」「ある程度満足」とした人は約38%にとどまった。不満の理由については「人手が足りない」が最も多く「質のばらつき」が続いた。

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外部人材による学校支援の満足度(小学館調べ)

 希望するサポートとしては、支援が必要な児童への個別対応や授業の補助など、「授業に集中できる環境を整える」ことを目的とした要望が約半数を占めた。また、学級に1人、学年に1人といった具体的な配置希望の他、「丸つけ」「会計」など、子どもと接しない業務の補助を求める声も多く寄せられた。その他「業務削減のコンサルティング」「保護者対応専門スタッフ」の配置を望む声も見られた。

 調査は5月20日〜6月30日に実施。全国47都道府県の教育関係者を対象とした。有効回答数は5412人(男性:1605人、女性:3472人、その他・無回答:335人)。

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