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「10兆円ファンド」支援対象の東北大 理事・副学長に聞く「日本型研究人事」の課題:東北大学の挑戦(4/4 ページ)

東北大学は、グローバルで活躍する主に日本の若手研究者を客員教員として招聘し、社会実装や産学共創を促進する新たなプラットフォーム「ZERO INSTITUTE」を設立した。卓越大になって東北大は何が変わっているのか。ZERO INSTITUTE設立の狙いは何か。青木孝文理事・副学長に聞いた。

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「真面目さ」が生む縦割り構造と挑戦の抑制

――ZERO INSTITUTEの取り組みは、企業と研究者がよりスムーズにマッチングできる点でも、新しいプラットフォームになると思います。

 その通りです。例えば今までの大学の共同研究では、1件あたりの契約金額が数百万円程度が平均です。なぜかというと、日本の企業では部長クラスが決裁する金額がその程度だからです。多くても500万円ほどで、それ以上になるとハードルが上がる場合が多いのが現状です。

 日本はとても真面目な国なので、研究の予算が取れるとなるときれいに縦割りで流れていき、最後は企業がやりたいテーマを丁寧に実行する内容になってしまう。すると結果的に、新しい挑戦やイノベーションを生み出す前に、与えられたテーマに忠実に取り組んでしまうわけです。

 この真面目さが、日本の研究スタイルの長所でもありますが、一方で、「もっと自由に何千万円単位で好きなテーマに挑戦しよう」といったダイナミックな動きを抑えてしまう側面もあります。企業も本当はそういうことを求めている場合が多いです。

 クロスアポイントメント一つ取っても、「組織同士できちんと協定を結ばなくては」と大学や企業が準備に時間を延々とかけるのも同じです。こういった規定や概念を乗り越え、現実の問題が出てきたら一つ一つ対処して解決する、といった柔軟な姿勢がなにより大事です。

――今後は大学組織自体の在り方を変えていかなければいけない、ということですね。

 まさにその通りです。とにかく自由度を持たせ、既成概念にとらわれない優秀な人材にどんどん参加してほしいです。たとえ現在は東北大にそういった人材がいなかったとしても、新たに加わってもらうことで私たち自身も大いに刺激を受け、さらなる成長が期待できます。

 企業側も、「世界中から才能を集めている」といえるプラットフォームであれば、納得してプロジェクトを託してくれるはずです。もちろん、東北大から世界に出ていく人も増えるでしょうし、そうした循環が組織そのものの活性化につながると考えています。

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