「それ、パワハラです!」 部下に訴えられたら、上司のあなたがすべきことは?(5/5 ページ)
「ハラスメント・ハラスメント」とは、上司が部下に対して注意や指導を行った際、部下がそれを「注意・指導」と解さず、自身が「ハラスメントを受けている」と訴えることをいいます。
Q3:言葉遣いはどうでしたか?
- 抽象的な言葉
ちゃんとしろよという、曖昧な言葉は避けましょう。具体的にどうすべきかを考えてください。何をすればよいかが分かるように説明しましょう。
- 責任追及と取れる言葉
解決をしようと思って「なぜ、できなかったんだ」と責任追及してしまう言葉は少々危険です。部下は、既に、何らかの負い目を感じているので、落ち込んだり、反発したりします。「なんでだか分かっていれば、とっくの昔にやってるよ」となります。
Answer
「何回言わせるんだよ!」と言いたい気持ちは、痛いほど分かりますが、やや感情的です。
「教えたことは、メモを取って、分からなければ、自分で調べて!」これは、何度も教えている背景を踏まえると問題なさそうな発言です。しかし、語気、語調は字面で表現するには限界はあります。著しく相手の感情を逆なでするのはNGです。
最後に(2)について、
Q4:その雇用する従業員の就業環境が害されるような状態になっていますか?
Answer
周囲のメンバーもびっくりしています。少し語気が荒かったのかもしれません。しかし、ヒアリングを進めていくうちに、理解の遅いRさんを、「困った人」と捉えていることも見えてきました。こんなに教育しているのにうまくいっていない、あなたに対する同情すらも感じていますし、Rさんのミスや遅れが、全体の就業の停滞に繋がっているようです。
つまり、あなたの言動によって、「周囲のメンバーが身体的または精神的な苦痛を感じて、業務を遂行することができないほどダメージを受けているかどうか」という問いでいうと、そうでもなさそうでした。
加藤京子
H・Rサポート、株式会社クレドコラ(credocara)代表
青山学院大学文学部フランス文学科卒業
日商岩井株式会社(現 双日株式会社)入社
1998年社会保険労務士資格取得、2000年独立開業〜現在 H・Rサポート(港区西新橋にて社会保険労務士事務所経営)
2004年研修講師として活動開始し、管理職選抜・昇格審査事業の一環として、部下育成の相談( 面談)を受託。年間約100日(20年間)、約20,000人対応。現在、研修講師および人材アセスメントのチーフコンサルタントとして活動中。
著書に『Z世代に嫌われる上司 嫌われない上司』(ぱる出版)がある。
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