中国を抜くのも秒読み? ベトナムのイオンモールで見た「成長市場」の凄まじさ(5/5 ページ)
海外への出店を重ねているイオンモールのうち、成長が著しいのがベトナムだ。実際に訪問してみた景色を基に、イオンモールの今後を分析していく。
カギは物件の確保か
しかし、成長著しいベトナムに当然ながら他国の企業も積極的に攻勢をかけています。韓国系財閥企業や中国大陸系企業などは次々とベトナムへの投資を決め、各地に進出しています。
また、前述したようにベトナムの出生率は低下傾向にあり、人口の伸び悩みという新たな課題が浮上してきています。イオンモールはこうした環境変化の中で、ベトナムをASEANの最重要拠点として、日本に次ぐ第2の市場に育て上げる目論見で積極的に新規物件確保に動いています。
「大黒柱に車をつけよ」という、イオンを創業した岡田家の家訓の通り、イオンは立地の変化に敏感な会社です。小売業の立地は常に変化していきます。日本だけでなく今、世界ではどこが一番の立地なのかを見極め、さっとそこに移動して商売をする能力に長けています。お客さま第一を理念とし「Life Design Developer」という考え方でその国や地域のコミュニティのインフラをめざすイオンモールの、今後のベトナムでの展開に注目したいと思います。
著者プロフィール
岩崎 剛幸(いわさき たけゆき)
ムガマエ株式会社 代表取締役社長/経営コンサルタント
1969年、静岡市生まれ。船井総合研究所にて28年間、上席コンサルタントとして従事したのち、同社創業。流通小売・サービス業界のコンサルティングのスペシャリスト。「面白い会社をつくる」をコンセプトに各業界でNo.1の成長率を誇る新業態店や専門店を数多く輩出させている。街歩きと店舗視察による消費トレンド分析と予測に定評があり、最近ではテレビ、ラジオ、新聞、雑誌でのコメンテーターとしての出演も数多い。直近では著書『図解入門業界研究 最新 アパレル業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本[第5版]』を刊行した。
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