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きっかけは「やばくないですか?」の一言 アトレのAI活用リーダーが語る、全社を巻き込むコツ(2/5 ページ)

一部の社員だけがAIを使い、組織全体への浸透が進まないという壁に直面する企業も少なくない。そうした中、アトレは3カ月余りでGemini利用率95.5%を達成した。成功の秘訣とは?

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ゲーム感覚でAI活用を促進

 多くの企業が生成AIを一部の社員に限定して導入する中、アトレは最初から「全社員」にこだわった。正社員だけでなく、パート、アルバイト、契約社員も対象とした。加えて、社員の積極的な活用を促した施策の一つが、アトレが独自に開発した「Geminiステータスボード」だ。

 Geminiステータスボードは、社員のAI活用状況を可視化したもの。利用日数、データ利用量、各種アプリでのAI活用状況を「継続日数」「熱心さ」「器用さ」という3つの指標に変換。100点満点で評価し、その合計値で10段階のレベルを設定している。「新入社員も毎週欠かさず見てくれていますし、ベテラン社員からも『レベル上がったよ』とうれしそうに声をかけてもらえます」と山本氏は手応えを語る。

 また、Geminiステータスボードは全社員が互いの利用状況を確認できる。新入社員が社長の利用状況を見ることも可能で、組織の垣根を越えた学び合いを促進している。さらに、それぞれの利用状況に応じてAIがフィードバックを提供し、AI使用状況の改善提案まで行ってくれるのだ。社員はゲームのレベルアップのような感覚で、楽しみながらAI活用を進められる。

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Geminiステータスボード(プレスリリースより引用)

 しかし、最初からスムーズに導入できたわけではない。導入前のアンケートでは「AIに興味はあるが活用イメージが湧かない」という回答が全体の80%を占めていた。この課題に対し、どのように対処したのだろうか。

 同社では、導入と同時に、身近な活用事例の共有に力を入れた。6月に開始したのが、毎週オンラインで配信される活用事例のインタビュー番組だ。「最新の使い方を紹介するより、身近な社員がどう活用しているかという身の丈に合った内容が、社員に刺さったようです」(山本氏)

 さらに、ソフトバンクの協力を得て月1回開催する「Gemini活用アイデアソン」も効果的だった。AIにまだ触れていない社員を対象に、日々の業務課題をグループディスカッションし、Geminiでの解決方法を探る。

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Gemini活用アイデアソンの様子(プレスリリースより引用)

 こうした取り組みの結果、2025年7月14日時点で全社員の利用率は95.5%に到達。さらに、Geminiステータスボードの習熟度レベルでレベル6以上と認定される「エキスパート比率」も59.3%まで上昇した。では、実際の業務でどのような活用が進んでいるのだろうか。

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