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年間「7000時間」削減 ファンケル業務効率化の立役者が語る、RPA導入が成功した秘訣(1/2 ページ)

「定型業務を省力化したい」と悩む企業は少なくない。ファンケルは2019年末、RPAツールを導入し、年間7000時間もの業務削減を実現した。導入の経緯や成果を同社に聞いた。

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 「多すぎる定型業務を省力化したい」「定型業務にかかる時間が少なくなれば、もっと違う仕事ができるのに」──こうした課題を抱える企業は少なくない。

 無添加化粧品などの製造販売を手掛けるファンケルは2019年末、PC上の定型作業を自動実行するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ツールを導入。年間7000時間もの業務削減を実現した。グループIT本部 情報システム部 コーポレートシステムグループの片山翔一氏に、導入の経緯や成果を聞いた。

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ファンケル グループIT本部 情報システム部 コーポレートシステムグループ 片山翔一氏(編集部撮影)

年間7000時間の業務削減を実現 成功の秘訣は?

 RPA導入のきっかけは、販売管理部門から「定型業務を省力化して、別の業務ができる時間を創出したい」との相談を受けたことだった。「PCシステム上で転記する作業などはサーバを構築し自動化できていました。しかし、受注登録のような個人PCで作業しなければならない業務はどうしても人の手が必要で、こうした業務を削減できないかと考えました」。解決案を模索する中で、RPA導入を提案したという。

 同社はRPAテクノロジーズ(東京都港区)が提供する「BizRobo! Basic」を活用しており、片山氏はその理由を3つ挙げる。

 1つ目は情報システム部が管理できる点だ。RPAには、現場でつくって現場で管理するタイプもある。しかし、それではどれだけRPAを活用しているのか、どれだけRPAに依存しているのかを把握できない懸念があった。そのため、情報システム部が管理できるRPAであることが重要だったという。

 2つ目が、業務知識を持つ担当者が開発できる点だ。「玄人向けではなくIT初心者の現場担当者でも使いやすいことが大切でした」。3つ目はサポート体制が充実していた点だ。現場担当者に寄り添って開発を進められる点を評価したという。

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提供:ゲッティイメージズ

 最初に導入したのは、卸売部門だった。その理由について、片山氏は「卸売部門では卸売先から取引に関する情報が毎月決まった形で届いています。こうした情報を自社システムに合わせてアップロードするなど、特に定型業務が多かったからです」と説明する。

 卸売部門で業務効率化が進むと、他部署での導入も徐々に増え、現在は販売管理、製造、物流管理、人事労務など幅広い部門で活用されている。全社で年間約7000時間を削減し、社員からは「今なくなってしまうと困る」「なくてはならないものになった」「クリエイティブな作業や戦略立案など、新しい業務ができるようになった」といった声が寄せられているそうだ。

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