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ファミマ、AIが発注を最適化→週6時間の業務削減 「勘と経験」頼みをどう脱却した?(1/4 ページ)

店舗スタッフの経験と勘による判断に頼るコンビニの発注作業には、さまざまな課題がある。こうした課題に対し、ファミリーマートは生成AIが最適な発注数を自動で提案するシステム「AIレコメンド発注」の運用を開始。同社に開発の経緯や導入後の成果を聞いた。

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 コンビニエンスストアの発注業務は、単なる商品の仕入れではない。24時間365日、変化し続ける顧客ニーズを予測し、天候や曜日、立地条件など無数の変数を考慮しながら、最適な品ぞろえを実現する。この複雑な意思決定を、これまでは店舗スタッフが毎日、経験と勘に頼って行っていた。

 しかし、経験と勘による判断は、時として発注ミスを引き起す。その結果、欠品や廃棄につながり、顧客満足度の低下や収益性の悪化を招くことも。こうした課題に対し、ファミリーマートは2025年6月末、生成AIが最適な発注数を自動で提案するシステム「AIレコメンド発注」を全国500店舗で運用開始した。

 開発に4年以上を費やした同システムは、週6時間の業務削減を実現。さらに、立地が似た高収益店舗の販売データを参照する「お手本店」機能により、品ぞろえの最適化も可能にした。常務執行役員オペレーション本部長の村井律夫氏に、開発の経緯や導入後の成果を聞いた。

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ファミリーマート 常務執行役員 オペレーション本部長 村井律夫氏(編集部撮影)

店舗スタッフは、1日中発注について考えている

 コンビニの発注業務について、「商品を仕入れるだけでは?」という印象を持つ人もいるかもしれない。しかし、実態は大きく異なる。村井氏は「発注は単に商品を仕入れる行為ではありません。店舗スタッフは発注に至るまでに、販売データやお客さまの動向、購買シーンを分析し、仮説を立てて考える必要があります」と説明する。

 24時間365日営業というコンビニの特性上、考慮すべき要素は膨大だ。曜日別の売れ行き、季節変動、天候の影響、立地特性……。これらの固定的要因と変動的要因を、同時に分析しなければならないのが発注業務なのだ。

 さらに深刻なのは、心理的負担の大きさだ。「店舗スタッフは、1日中発注について考えているといえます」(村井氏)。お弁当の売り場が空になると、すぐに欠品の原因を分析し、翌日の発注に反映する。システム上で発注するに至るまでの労力が、店舗スタッフの大きな負担となっていた。

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