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「厳しい指導」→「パワハラ」とは限らない 上司が真に注意すべき“余計な一言”とは(2/3 ページ)
職場でのパワハラやセクハラを防止するために企業は何をすべきか――。日本ハラスメント協会代表理事の村嵜要さんに話を聞いた。
――上司が個人として取り組めるハラスメント防止策はありますか?
一番効果的なのは「セルフチェック」です。1日の終わりに、自分の言動を振り返って「言いすぎていなかったか」「部下に不快な思いをさせていないか」を内省する習慣をつける。それで気になることがあれば、翌日に「昨日は言いすぎたかもしれない、ごめんなさい」と部下に声をかけるだけでも、部下との関係性は大きく変わります。
謝ることに抵抗がある上司も多いと思いますが、「強くて優しい」存在こそ、部下が信頼しやすく、相談しやすい。結果として、大きなパワハラやセクハラなどのトラブルを未然に防ぐことにもつながります。
――職場でのパワハラやセクハラを防止するために、組織としてはどのような取り組みが求められますか
まず重要なのは、社内だけで完結させないことです。第三者機関による相談窓口の設置や、調査の外部委託は非常に有効です。特に大企業の場合、外部の視点を取り入れることで、調査の公平性や透明性が高まり、社内外からの信頼度も上がります。
また、何か問題があった際に、いきなり人事部門に通報するのではなく、「まずは軽く注意を促す」ような段階的な初動対応も有効です。相談者の意向を尊重しつつ、段階的に対応することで、相談者と当事者の深刻な対立や関係性の断絶を防げます。
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