ニュース
顧客データ取得は今の時代に合っていない 自販機アプリ「ジハンピ」が1000万DLされるワケ(3/3 ページ)
サントリーの自販機用キャッシュレスアプリ「ジハンピ」が、8月末時点で1000万ダウンロードを突破した。当初目標の2倍となる急拡大を達成した背景とは?
自販機そのものの価値を高められるか
これらの取り組みの結果、利用客からも好評の声が届いているという。井上氏は「やっぱり自販機で飲み物を買うのはスムーズであるべきだ」と再認識したそうだ。その上で今後の目標は「自販機そのものの価値を高めることだ」と語る。「自販機の魅力を伝えていけば、おのずと継続して購入してもらえると思う」と話した。
小売・流通アナリストの中井彰人氏によると、飲料市場における自販機の存在感は長期的に低下しているという。コンビニの出店拡大やコンビニコーヒーの普及、飲料容器が缶からペットボトルに変わり携帯性が向上したことなどが影響しているそうだ。(出所:収益悪化が止まらない自販機業界 結局「人手」が必要なビジネスの現実)
そうした中でも井上氏は「職場や通勤経路、自宅の近くなど、生活に密着したお客さまとの接点として、自販機を大切に捉えている」と強調する。キャッシュレス決済で利便性を高めると同時に、日常に溶け込む存在として自販機の価値をどこまで広げられるのか、注目が集まる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
収益悪化が止まらない自販機業界 結局「人手」が必要なビジネスの現実
「自動販売機=省人化」のイメージに反し、実際は人手に頼る構造を持つ自販機ビジネス。人件費の高騰や売上の減少が収益を直撃し、業界は今、大きな転換点に立たされている。
ドンキ、「自販機」がずらり並ぶ新店舗 渋谷に出店、インバウンド獲得にどん欲な姿勢
ドン・キホーテは2月20日、東京・渋谷の道玄坂通りに、実験的な新業態「ジハン・キホーテSHIBUYA店」をオープンした。出店の背景にはインバウンドの存在があるという。
