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砂上の「1兆円企業」、メタプラネットの株価はなぜ暴落したのか? 「熱狂の代償」を払う個人投資家たち(4/4 ページ)
ビットコイン戦略で時価総額1兆円超に達したメタプラネット。しかし株価は3分の1以下に急落。NISA人気の裏で税制改正リスクやPBRの割高感が顕在化し、投資家に「熱狂の代償」を突きつけている。
「脱法的ETF」にすぎないのか?
メタプラネットの戦略は、ビットコインを購入し、その価格上昇に賭けるというものに尽きる。結果として「PBRが高く、常に希薄化リスクを伴う、条件の悪い脱法的ビットコインETF」以上の役割を市場で果たせないのではないか。
税制上のメリットだけを支えに膨れ上がった期待は、制度変更という前提の変化で崩れ去りつつある。
この一件は単なる一企業の浮沈にとどまらない。新たなテクノロジーや金融商品が登場する際、市場はしばしば熱狂に包まれ、複雑なリスク構造が見過ごされがちになる。
投資家保護の観点からも、制度が実態に追い付いていない現状をどう捉えるべきか。金融当局にも重い課題が突きつけられているのである。
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