インタビュー
なぜ、スズキが「カレー」を開発したのか 発売2日で5000食が示す意味(2/4 ページ)
自動車メーカーのスズキが社食メニューをベースに開発したレトルトカレー。発売2日で5000食を販売し、ブランド力と本格的な味わいで消費者の注目を集めている。
従業員の声をきっかけに本格開発
スズキは1980年代にインド市場に進出し、現在もシェア約4割でトップを維持している。インド出身のスタッフが増える中、2010年頃から本社の社員食堂でインドのベジタリアン料理を提供し始めた。
しかし当初は、インド出身の人から「日本人向けにアレンジされていて物足りない」という声があった。
そこで、明治元年創業で150年以上の歴史を持ち、ブライダルやレストラン、仕出し弁当事業を手掛ける鳥善に協力を依頼。鳥善もインド料理の知見はなかったが、「食に関わることはなんでもやる」という姿勢でスズキからの依頼を快諾した。
2023年6月から開発に乗り出し、試食を何度も重ね、味の方向性を決定。2024年1月に、社員食堂で完成したカレーの提供を開始すると、インド出身の従業員からも「母親の味」と高い評価を得た。
レトルトカレーとしての商品化は、スズキ歴史館やECサイトでの物販展開を検討する中で浮上した。社内で「食品関連のグッズ商品を作りたい」という意向があった中で、ベジタリアンカレーを採用した。
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