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Jリーグが仕掛ける“行きたくなる体験” スタジアムに人が集まる秘密(2/8 ページ)

Jリーグは、スタジアムに“行きたくなる体験”を生み出す戦略で観客動員を拡大している。新スタジアムや注力試合、招待施策など、多角的な施策で満員スタジアムを実現する秘密に迫る。

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クラブ数の増加と新スタジアム効果

 入場者数・売上高ともに過去最高を記録した要因について、Jリーグ事業マーケティング本部長の鈴木章吾氏は「複数の要因が組み合わさった結果だ」と分析する。

 要因のひとつが、2024年からJ1のクラブ数が18から20に増えたことだ。試合数が増えたことで、集客力の高い試合も増加。1試合の平均入場者数も、J1で107%、J2で111%、J3で112%と全カテゴリーで前年を上回った。

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1試合の平均入場者数の推移

 次に、新スタジアムの開業効果が挙げられる。2024年は広島、長崎、金沢で新スタジアムがオープンした。

 サンフレッチェ広島が本拠地とする「エディオンピースウイング広島」では19試合中18試合でチケットが完売し、1試合当たりの平均入場者数は前年比159%となった。

 V・ファーレン長崎の「PEACE STADIUM Connected by SoftBank」は、2024年の開催が4試合だけだが同263%、ツエーゲン金沢の「金沢ゴーゴーカレースタジアム」は同129%に伸長した。

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「エディオンピースウイングスタジアム広島」(筆者撮影)

 筆者も広島、長崎のスタジアムで試合を観戦したが、いずれも大勢の観客でにぎわっていた。特に広島は、周辺の観光施設や飲食店への波及効果も大きいことがうかがえた。

 新スタジアム効果は、来場者の満足度向上にも表れている。観戦前後の体験やスタジアムの設備・サービスに関する評価スコアが上昇するなど、ファン・サポーターに価値の高い観戦体験を提供できているようだ。

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長崎の「PEACE STADIUM Connected by SoftBank」(筆者撮影)

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