2015年7月27日以前の記事
検索
ニュース

自分やメンバーのモチベーションと上手に付き合う「5つのテクニック」(3/5 ページ)

モチベーションとの向き合い方について、どんな点に注意すべきなのか。専門家に話を聞いた。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

やる気アップのテクニック3「セルフ・コンパッションで自然とやる気を生み出す」

――アメとムチの考え方をもとにした成果主義では、もともと「面白いからやってみる」「興味があるから調べる」などの意欲や興味を持って取り組んでいたことが、「ご褒美をもらうため」「罰を受けないため」といった動機にすり替わってしまい、結果としてモチベーションを失わせてしまうことがあるそうですね。

 そうです。仕事がうまくいかない時ほど、私たちは自分にムチを打ってがんばるとか、「みんなも頑張っているのだから」と追い込みがち。そうやって無理やりモチベーションを引っ張り出していると思います。それだと、途中でバーンアウトしてしまいますよね。

 持続的にモチベーションを引き出すには、セルフ・コンパッションが役立ちます。セルフ・コンパッションとは、困難に直面したり失敗したりした際に、自分を責めるのではなく、親しい人を思いやるように自分自身を慈しみ、受け入れるスキルのことです。これには3つの要素があります。

 1つ目は「共通の人間性」といって、人は誰しもいい時もあれば悪い時もあり、強みもあれば弱みもあるなど、人類共通の事柄に目を向けることです。そうすると、苦しいことがあっても、世界には同じ苦しみを感じている人がいるとか、過去にいろんな人間が乗り越えてきた苦しみなのだ、という人類のつながりの経験として目の前の状況を受け入れられるのです。

 2つ目が「自分へのやさしさ」です。これは情緒的な要素であり、困っている人を見た時に自然と湧いてくる優しさを自分にも向けるということ。

 3つ目が「マインドフルネス」です。何かが起きた時に感情的に巻き込まれるのではなく、中立的に注意を向け、俯瞰(ふかん)的な視点を持つことです。このマインドフルネスが大事な理由は、人は失敗した時、自動的に自己批判のモードに入ってしまうからです。そこで立ち止まるために、自己批判のモードからセルフ・コンパッションのモードに意識的に切り替えることで、モチベーションを低下させないようにできると思います。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る