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「単なる引っ越し」では終わらせない 総務が主導する“戦略的オフィス移転”の進め方:「総務」から会社を変える(2/4 ページ)
近年、働き方の多様化や事業の拡大・再編などを背景に、オフィス移転を検討する企業が増えている。多くの総務担当者にとって、オフィス移転は頻繁に経験する業務ではないかもしれない。しかし、オフィス移転は単なる「引っ越し」ではなく、きわめて戦略的な一大プロジェクトである。
「見えないコスト」を可視化し、最適化する
総務は常に冷静なコスト管理者でなければならない。イニシャルコストはもちろん、移転後に発生する光熱費、通信費、清掃・メンテナンス費などランニングコストを正確にシミュレーションし、長期的な視点でトータルコストを最適化する視点が不可欠だ。
特に、旧オフィスの「原状回復義務」は大きなコスト要因となり得る。賃貸借契約書を隅々まで読み解き、貸主との交渉に備える。これも総務にしかできない専門的な仕事だ。
不安や抵抗感にはしっかり寄り添う
オフィス移転は、社員にとって大きな環境変化だ。特にフリーアドレスの導入など、働き方が大きく変わる場合は、期待とともに不安や抵抗感が生まれることも少なくない。
そこで総務は、プロジェクトの進ちょく状況や決定事項の背景について、社内報や説明会を通じて丁寧に、そして継続的に発信し続ける必要がある。新しいオフィスの使い方やルールを一方的に押し付けるのではなく、ワークショップなどを通じて社員を巻き込み「自分たちの新しい働き方を自分たちで創る」という意識を醸成していく。この地道なプロセスが、移転後の円滑なオフィス運用を左右するだろう。
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