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「単なる引っ越し」では終わらせない 総務が主導する“戦略的オフィス移転”の進め方:「総務」から会社を変える(3/4 ページ)
近年、働き方の多様化や事業の拡大・再編などを背景に、オフィス移転を検討する企業が増えている。多くの総務担当者にとって、オフィス移転は頻繁に経験する業務ではないかもしれない。しかし、オフィス移転は単なる「引っ越し」ではなく、きわめて戦略的な一大プロジェクトである。
「社外」に対する配慮も忘れずに
オフィス移転は、社内の論理だけで進めてはならない。企業が社会の一員であることを忘れてはならず、社外のステークホルダーへの配慮が企業の評判を大きく左右する。例えば、移転先がどのような地域かによって、配慮すべき点は大きく異なる。
住宅街や住居系ビルの場合は、工事期間中の騒音・振動対策はもちろん、移転後の社員の通勤ラッシュや昼食時の人流が、近隣住民の生活に与える影響を考慮する必要がある。事前に説明会を開き、地域との良好な関係を築く努力が求められる。
オフィス街や商業ビルの場合、他のテナントへの配慮が重要だ。工事の申請や搬入・搬出ルートの調整など、ビル管理会社との密な連携が不可欠である。ビルのルールを順守することは、企業の信頼性を示すことにもつながる。
自社ビルを建設する場合、法規制の順守は当然として、公開空地の設置や防災協定の締結など、地域社会に貢献する姿勢を示す絶好の機会と捉えるべきだ。
取引先への移転案内は、単なる事務連絡ではない。移転の通知が遅れれば、請求書や重要書類の誤送付など、実務的な混乱を招く。移転の1〜2カ月前には正式な書面で通知し、Webサイトの情報を更新するなど、あらゆるチャネルで周知を徹底すること。これを機に、新オフィスのお披露目会などを企画し、パートナーとの関係をより一層深める機会にすることも有効だ。
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