『地球の歩き方』国内シリーズ120万部突破 杉並区民にも愛される理由:地元民も旅行者も夢中(3/4 ページ)
2020年から発売されている『地球の歩き方』の国内シリーズが好調だ。旅行者だけでなく地元民からも支持を得ている理由とは。
まるで総菜を買うようにガイドブックを買っていく
書籍化するエリアを選ぶ基準のひとつが「地元愛の強さ」だが、社内の意見も反映している。その代表例が『杉並区』だ。最初に区版として発売した『世田谷区』は、東京で最も人口が多い区という理由もあったが、『杉並区』は人口の多さに加え、社内に杉並区への愛着が強い社員がいたことも影響した。
杉並区の中でも特に地元愛が強いとされる中央線沿線の荻窪、西荻窪、高円寺、阿佐ヶ谷エリアを多めに掲載し、周辺情報も取り上げた。区民が誇る日常の風景から、カレーやラーメンなどのグルメ、地元ならではの銭湯や個性派書店まで、詳細な情報を一冊に凝縮した。
巻頭特集『杉並区のこんなところがスキ』には、区民アンケートで寄せられた生の声を多く反映している。杉並区への愛着の強さは随所に現れ、各章の章末やページの欄外にも、地元民の声を詰め込んでいる。杉並区民からは「すごく愛が詰まった本だね」といった声が多いそうだ。
発売当日、編集部のメンバーも書店で販売に立ち会ったところ、目の前で次々と本が売れていく様子に驚いたという。発売を待ち望んでいた区民も多く、2〜3冊まとめて購入する人も。中には「まるで総菜を買うように書籍を買っていく」人もいて、地元愛の強さが売り上げに表れているようだ。
『杉並区』では、区民におなじみの公式キャラクター「なみすけ」をほぼ全ページで起用している。杉並区民なら小学生から大人まで多くの人が知っており、子どもの頃に学校で配られるファイルにも登場するなど、親しみのあるキャラクターだ。発売日には、なみすけの着ぐるみも書店に登場し、会場を盛り上げた。
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