インタビュー
『地球の歩き方』国内シリーズ120万部突破 杉並区民にも愛される理由:地元民も旅行者も夢中(2/4 ページ)
2020年から発売されている『地球の歩き方』の国内シリーズが好調だ。旅行者だけでなく地元民からも支持を得ている理由とは。
「地元愛」の強さに着目
2022年には、シリーズ第2弾となる『東京 多摩地域』を発売した。高尾山や奥多摩のハイキングやグルメ情報に加え、多摩の年表、武蔵野台地の地形解説、伝統工芸など、多摩地域の全30市町村を特集している内容となっている。
発売のきっかけは、読者からの声だった。第1弾は東京五輪を念頭に置いていたため、観戦に合わせて周辺を観光する人向けに、23区の情報を中心に紹介していた。しかし読者からは「東京版なのに23区ばかりで、多摩の情報が少ないのでは」との声が寄せられた。編集部はこの意見を真摯(しんし)に受け止め、多摩だけを取り上げた1冊を制作することにした。
『東京 多摩地域』だけで、発行部数は6万部を超えた。この結果から、「東京ではなく多摩だけで本を出してほしい」という声が届くほど、地元愛が強いことを実感した。それまでは人口の多いエリアを中心に選んでいたが、それ以降は地元愛の強さも書籍化の基準のひとつとしている。
国内シリーズの中でも、特に人気があるのは『北九州市』『横浜市』『杉並区』だ。
『北九州市』はもともと『福岡県』として刊行を検討していたが、調べを進めるほど、市だけでも多くの魅力があることが分かってきた。社内でも「北九州市だけで刊行したほうが面白いのでは」との声があり、シリーズ初の市版を発売した。
『北九州市』に続いて『横浜市』、10月発売の『山口市』『調布市』など、市版を積極的に制作している。
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