宇都宮LRT「ライトライン」西側延伸、計画見直しの理由は?(1/3 ページ)
次世代型路面電車(LRT)「ライトライン」のJR宇都宮駅西側延伸で、宇都宮市は目標としていた2030年の運行開始時期を見直し、延期する方針を明らかにした。
次世代型路面電車(LRT)「ライトライン」のJR宇都宮駅西側延伸で、宇都宮市は目標としていた令和12(2030)年の運行開始時期を見直し、延期する方針を明らかにした。運行開始時期は昨年の市長選で佐藤栄一市長が公約に掲げていたが、一部区間で道路拡幅が必要であることが判明。軌道を敷設する大通りの地下に埋設された重要インフラの移設も多く、用地買収の規模も大幅に膨らむ見通しで、想定以上の時間を要することになった。
道路の拡幅が必要に
「(12年の)開業は厳しい見込みだ」。8月に開かれた宇都宮市議会の議員説明会で、市は目標としていた運行開始時期を延期する方針を正式に表明した。
市の説明では県や警察などの関係機関と協議し、延伸区間の道路幅や拡幅範囲などがほぼ確定する中で重要インフラ移設、用地買収の規模の見込みが分かり、12年の運行開始は事実上、困難と結論付けた。
当初は「2030年代前半」としていたが、昨年11月の市長選で、佐藤市長が令和12年運行開始を公約に掲げたことで前倒しとなった。当時はLRTの西側延伸について既存道路の幅員で整備する方向で協議してきたが、今年に入り、自転車の利用の多い一部区間などで道路の拡幅が必要となり、市の想定が大きく狂い始めた。
西側延伸の整備区間はJR宇都宮駅西口から県教育会館前までの約5キロ。これを3つの区間に分けているが、道路の拡幅が必要となったのは2区間(裁判所前から桜通り十文字)の交差点部分と3区間(桜通り十文字から教育会館前)の全区間。特に3区間には周辺に高校などがあり、歩行者や自転車の安全と利便性を確保するために道路の幅を広げ、歩道とは別に自転車専用の自転車道を設けることになった。
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