くら寿司“しょうゆボトルなめ女”問題 「損害賠償請求しないほうがいい」と考える3つの理由:スピン経済の歩き方(1/8 ページ)
「しょうゆボトルをなめる」という迷惑行為が発生した「くら寿司」が、声明文を発表した。果たして、スシローのような巨額賠償請求に踏み切る可能性はあるのか……。
スピン経済の歩き方:
日本ではあまり馴染みがないが、海外では政治家や企業が自分に有利な情報操作を行うことを「スピンコントロール」と呼ぶ。企業戦略には実はこの「スピン」という視点が欠かすことができない。
本連載では、私たちが普段何気なく接している経済情報、企業のプロモーション、PRにいったいどのような狙いがあり、緻密な戦略があるのかという「スピン」をひも解いていきたい。
「ペロペロ少年から何にも学んでいないなんて、こいつ愚かすぎるだろ」
「完全に人生終わったな、家族と一緒に一生かけて償っていけ」
そんなふうにSNSで厳しく断罪されているのが、くら寿司の「しょうゆボトルなめ女」である。
ご存じない方のために説明しよう。発端は2025年10月11日、回転寿司チェーン「くら寿司」で若い女性客が笑いながらレーン上の寿司を素手で触ったり、しょうゆボトルをなめたりしている動画がSNSで拡散されたことだった。
それからほどなくして、SNSではこの女性が山形県内の高校生だという情報が流れ、本名、学校名、顔写真、実家の情報に加え、この動画を撮影したとされる者の名前までさらされる事態となった。
そして14日、くら寿司の公式Webサイトに「山形南館店における迷惑行為につきまして」という声明が出された。それによれば、「実行者についてはすでに特定しており、地元警察に相談しながら対応を進めてまいります」とのことで、「厳正な対応をしていく予定」だという。
さて、この一連の流れを聞くと、「損害賠償」という言葉が頭によぎる人も多いはずだ。2023年にスシローでしょうゆ差しをペロペロなめた少年は、運営会社のあきんどスシローから6700万円の損害賠償を請求されたからだ。
実際、SNSでは「子どもだからといって許されるものではない。しっかり損害賠償すべき」という声も少なくない。
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