食べ放題で「元を取ろう」とする客だけじゃない! 成長続ける「しゃぶ葉」が銀座に出店 “食のテーマパーク”が描く次の一手:長浜淳之介のトレンドアンテナ(1/4 ページ)
しゃぶ葉が銀座に初めてグローバル旗艦店を開店させたが、そこにある狙いとは?
著者プロフィール
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。
すかいらーくレストランツ(東京都武蔵野市)が運営するしゃぶしゃぶ食べ放題チェーン「しゃぶ葉」は7月16日、初のグローバル旗艦店を東京・銀座の「マロニエゲート銀座2」にオープンした。
マロニエゲート銀座2には、銀座としては珍しく庶民派のチェーンが出店しており、その多くが旗艦店として位置付けられている。例えば、1〜4階のユニクロと6階のダイソーはグローバル旗艦店で、格安スーパーのオーケーも都心型旗艦店を目指している。しゃぶ葉が入る7階のレストランフロアには、2024年4月にオープンした「くら寿司」のグローバル旗艦店も入居している。
今回オープンしたしゃぶ葉のグローバル旗艦店には、通常店舗にはない特徴が多数見られる。
本稿では、しゃぶ葉の歴史や人気の理由に触れながら、初のグローバル旗艦店の特徴や今後の戦略について掘り下げていきたい。
しゃぶ葉の歴史と特徴
しゃぶ葉は2007年、横浜に1号店をオープンした。手頃な値段で楽しめる“しゃぶしゃぶブッフェ”として人気を集めたのが、同ブランドの出発点だ。
その後、順調に出店を重ね、国内店舗数は315店(2025年9月末現在)。すかいらーくグループでは、ガストとバーミヤンに次ぐ第3のブランドとなった。海外では台湾やマレーシア、米国にも出店している。
最も安価なメニューは、平日ランチの豚バラ食べ放題コース(1539円)。これは最も人気を集めているメニューで、毎週のように通う常連客も多い。
また、季節限定のメニューもあり、9月11日から11月中旬までは鴨肉やイベリコ豚が楽しめるコースなどを提供している。
2色鍋が基本で、白だしが固定。もう一方は6種類の中から好みの鍋だしを1つ選べる仕組みだ。約20種類の新鮮な野菜が並ぶサラダバーや、5種類以上のたれBAR、10種類以上の薬味BARがある点も、しゃぶ葉が支持されている理由だ。
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