給料は上がるのか? 労働時間はどう変わる? 高市政権“アベノミクス復活”の行方:スピン経済の歩き方(4/8 ページ)
10月22日にスタートした高市政権。現時点で判明している政策から、ビジネスパーソンが注意すべき3つのこととは。
コスト高から中小企業を「保護」する
これまで日本では1963年に成立した「中小企業基本法」に基づいて、中小企業・小規模事業者の保護政策が取られていた。潰れそうな事業者がいれば補助金で支え、設備投資のためという名目で助成金を与え、さまざまな優遇措置によって、「事業存続」を支えてきた。
ただ、首相が「保護政策」と開き直ってしまうと、いくらなんでも生々しすぎる。中小企業経営者の団体「日本商工会議所」が、JAや日本医師会と並ぶ自民党の有力支持団体で献金も多くもらっている後ろめたさもあって、あまり露骨だと「利益誘導」ではないかと叩かれる。
というわけで、安倍元首相なども所信表明演説では、このような抑えめな表現をしてきた。
「経済の好循環」の成否は、全国の中小・小規模事業者の皆さんの元気にかかっています。生産性向上、販路開拓などの努力を後押しします。下請法の運用基準を十三年ぶりに抜本改訂し、下請取引の条件改善を進めます。低利融資による資金繰り支援と併せ、地域経済を支える金融機関のセーフティネットである金融機能強化法を延長します。(出典:2016年9月26日 自民党「第192回国会における所信表明演説」)
このような形で、基本的には中小企業・小規模事業者に元気になってもらうために応援する姿勢が続いてきたが、「安倍2.0」の高市首相はそこからさらに踏み込んでいる。所信表明演説ではこんな風に「保護」を明言したのだ。
「コスト高から中小企業・小規模事業者を守ります」
具体的には、生産性向上支援、事業承継やM&Aの環境整備、さらなる取引適正化などを通じ、賃上げや設備投資を強力に後押しするほか、自治体向けの重点支援地方交付金を拡充するというのだ。
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