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給料は上がるのか? 労働時間はどう変わる? 高市政権“アベノミクス復活”の行方スピン経済の歩き方(3/8 ページ)

10月22日にスタートした高市政権。現時点で判明している政策から、ビジネスパーソンが注意すべき3つのこととは。

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大企業への積極財政の結果どうなったか

 『東京新聞』が財務省の資料を基に集計したところ、第二次安倍政権から菅政権まで、大企業への法人税減税は少なくとも3兆8000億円にも上っている。

 この積極財政の結果、どうなったかというと、確かに「大企業」の業績は右肩上がり、その好調さは現在まで続いている。

 国内上場企業の2025年3月期の純利益は、4期連続で過去最高を更新。しかも、好調さは大企業だけではない。財務省が9月に公表した2025年4−6月期の法人企業統計によると、金融業と保険業を除く全産業の利益は過去最大の35兆8338億円。利益剰余金(内部留保)も637兆5316億円と過去最大となっている。

 トリクルダウンを主張する人々は「企業が儲(もう)かれば賃金は自然に上がっていく」というが、好業績の恩恵を労働者が受けていないことからも分かるように、それは机上の空論に過ぎないのである。

 原材料の高騰や人口減少による社会保障費の膨張などに対応しなくてはいけない企業にとって、人件費は「なんやかんやと言い訳して圧縮できるコスト」になってしまうのである。しかも、日本企業の6割ほどは「個人経営の小さな会社」なので、利益が出ても運転資金やオーナー経営者の懐に消えるだけだ。


多くの労働者の賃金は上がっていない

 ということは、「安倍2.0」ともいえる高市政権でも、同じことが繰り返される可能性が高い。「戦略的な積極財政」によって企業の業績は上がるし、内部留保も膨れ上がる。日経平均株価も5万5000円前後まで上昇するかもしれない。

 しかし、そこまでだ。高市政権の下でも、われわれのような一般の生活者はこれまで通り「低賃金」の日々が続いていく。

 さて、このような話をすると、「なんだよ、じゃあ何も変わらないのかよ?」と失望するビジネスパーソンも多いかもしれないが、そんなことはない。一部の人々には、むしろ大きなビジネスチャンスが舞い込む。

 それは(2)の「中小企業・小規模事業者へのバラマキ強化」だ。

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