出社したくなる職場は「高性能PC」より「話しかけやすい空気」:調査
スナックミーの調査で、出社頻度が少ない人ほど「他部署と交流のきっかけが欲しい」と感じていることが明らかに。出社の価値は機能性より「雑談のしやすさ」。社員が求めるのは、自然に人が集まるオフィス空間だった。
法人向け置き菓子・社食・オフィスコンビニサービスを提供するスナックミー(東京都中央区)は、会社員を対象に「オフィス内コミュニケーションに関する調査」を実施した。調査の結果、オフィス内で他部署の職員と「交流のきっかけが欲しい」と思う人は全体の53.6%と半数を上回り、特に出社頻度が少ない層では約7割に達した。出社日数が限られる社員ほど、社内コミュニケーションを求める傾向が強いことが分かった。
オフィスで他部署の職員ともっと気軽に交流できるきっかけが欲しいかについて、「とてもそう思う」が11.6%、「ややそう思う」が42.0%で、合計53.6%が「交流したい」と回答した。出社頻度別に見ると、「週2〜3日」や「週1日」といった低頻度層ほど割合が高く、7割前後が交流のきっかけを求めていた。
リモートワークが普及する以前(2020年頃)と比べて、オフィスでの「他部署の職員」との偶発的な会話量の変化について、全体の27.5%が「大幅に減った」(5.6%)または「やや減った」(21.9%)と回答した。「週2〜3日出社」では計50.0%、「週1回出社」では計42.7%が会話の減少を実感しており、出社頻度が低いほど会話の機会が減っている実態が浮き彫りになった。
「雑談のしやすさ」が出社の価値
オフィスに出社して「良かった」と感じる場面は何か。最も多かったのは「ちょっと話をしたいときに話しかけやすい雰囲気」(「とてもそう思う」24.7%、「ややそう思う」40.6%、計65.3%)だった。「同僚との何気ない雑談」(計61.3%)も上位に入り、生産性・機能性に関わる「自宅より集中できる環境」(計54.5%)や「高性能な機材や設備」(計52.9%)を上回った。社員にとって出社の最大の価値は「人とのつながり」にあるようだ。
日常の中で「自然と集まる場」を求める声
社員同士の偶発的なコミュニケーションを増やすには、どのような施策が効果的と思うかについては、「魅力的な休憩スペースの設置」が最も多く(「とてもそう思う」19.5%、「ややそう思う」41.6%、計61.1%)支持された。「部署や役職を超えた1on1ミーティング制度」(計45.1%)や「社内イベントの定期開催」(計42.9%)を上回り、特別な機会よりも、日常の中で自然と人が集まり、雑談が生まれる空間づくりを求める声が多いことが分かった。
今回の調査は、週1回以上オフィスに出社する20〜59歳の会社員を対象に8月18〜19日にインターネットで実施した。有効回答数は497人。
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