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「熊からの致命傷を低減する」ジャケット 2026年製品化を目指すプロダクトInsights

防刃装備ブランドのSYCOが、熊の爪や牙に耐える「熊対策用防護服」の開発を開始した。刃物対策技術を応用し、致命傷を防ぐことを目的とする。行政や研究機関とも連携し、2026年度の実用化を目指す。

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プロダクトInsights

日々リリースされる新しい商品やサービス。その商品やサービスには、必ず企業側の思惑や狙い、生活者のニーズ、時代の空気感が反映されている。本シリーズでは、これらの「Insight」を考察していく。

 防刃装備品ブランドを展開するSYCO(神戸市)は、「熊対策用防護服」の開発を開始した。全国でヒグマやツキノワグマによる人的被害が相次ぐ社会問題を受け、同社は刃物犯罪対策で培った防護技術を応用し、2026年度中の製品化を目指す。

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SYCO(神戸市)は「熊対策用防護服」の開発を開始した(出所:photoAC)

「SSPジャケット」技術をベースに熊対策モデルを開発

 本製品は、同社が現在量産準備中の防刃服「SSPジャケット」をベースに開発する。熊の爪や牙による裂傷・刺突に対して、防護性能を強化した新型防護ウェアとして設計するという。

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「SSPジャケット」(出所:プレスリリース、以下同)

 「SSPジャケット」は、2025年10月に応援購入サイト「CAMPFIRE」で製品化されたモデル。体幹部だけでなく首、頭部、腕部にも防刃素材を搭載した「拡張型防刃ベスト」として、590万円超の支援を集めた。

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「SSPジャケット」はクラウドファンディングで製品化

 SSPは防刃装備品を中心とする刃物犯罪対策ブランドで、防刃パネルは刃物の刺突にも耐える高強度を持つとしている。非金属素材による軽量構造で、体にフィットしやすく、動きやすい設計が特徴だ。

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防刃パネルは刃物の刺突にも耐える高強度

目的は「致命傷や後遺障害の低減」

 熊対策用防護服は、「熊による攻撃の完全防御」ではなく、「致命傷や後遺障害の低減」を目的としている。顔面や頭頸部など被害が多い部位への防護素材の追加や、重要箇所への衝撃吸収を目的とした耐衝撃素材の採用などを中心に研究開発を進めている。実地テストの結果を踏まえ、熊による外傷被害を最小限に抑える実用モデルの実現を目指すとしている。

 同社によると、「SSPジャケット」プロジェクトを見たユーザーから「クマ対策として着用できるか」といった問い合わせが複数寄せられているという。現在、行政機関(自治体など)や大学・研究機関、猟友会、個人猟師など、熊対策に関心を持ち協力できる人を広く募集している。

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