経営の最大リスクは“人材” 気候変動やサイバー攻撃を上回る懸念

MS＆ADインターリスク総研の調査で、3〜5年後に企業が最も脅威と感じるリスクは「人的資本・人材確保リスク」が最多となった。気候変動やサイバー攻撃を上回り、リスクマネジメントの主軸が「人」へと移りつつある。

[コネムラメグミ，ITmedia]

　コンサルティング事業を行うMS＆ADインターリスク総研（東京都千代田区）は、「企業のリスクマネジメント実態アンケート」を実施した。調査の結果、3〜5年後に企業にとって最大の脅威となるリスクとして「人的資本・人材確保リスク」を挙げた割合が23.9％で最も高かった。

MS＆ADインターリスク総研は「企業のリスクマネジメント実態アンケート」を実施した（出所：photoAC）

近い将来、自社のビジネスにとって最も大きな脅威となりそうなリスクは何ですか（単一回答）（出所：プレスリリース、以下同）

　次に「気候変動・自然災害の激甚化」（15.9％）、「サイバーセキュリティ」（9.5％）が続いた。今後のリスクマネジメントでは人材に関する要素の重要性が一層高まる傾向がうかがえる。

関心の高いリスクは「災害」「サイバー」「ハラスメント」

　業務上、現在関心の高いリスクとして最も多かったのは「気候変動・自然災害の激甚化」（11.1％）で、以降「サイバーセキュリティ」（10.7％）、「コンプライアンスリスク」（8.9％）、「情報管理・プライバシーリスク」（7.7％）、「ハラスメント（パワハラ、セクハラ、カスハラなど）」（7.2％）が続いた。いずれも事業継続や社会的信頼に直結するリスクが上位を占めた。

あなたが業務上、関心が高いリスクは何ですか（複数回答）

　自社のリスクマネジメントの取り組みについて「かなり不十分」「やや不十分」と感じている企業は約3割に上った。リスク感度や専門人材、社内教育・啓発の不足など、ここでも「人」に関する課題が多く指摘された。

　今回の調査は、MS＆ADインターリスク総研のメールマガジン購読者を対象に、インターネットで実施した。調査期間は2025年8月28日〜9月10日、有効回答数は548人だった。