スポーツのミズノ、引っ越しなどワークウエアで急伸 9年で売り上げ5倍(1/4 ページ)
野球のグラブや競泳用水着などで知られる大手スポーツ用品メーカーのミズノ。工事現場や引っ越しなどの作業に欠かせない企業ユニホームの開発を進め、売り上げを急激に伸ばしている。
野球のグラブや競泳用水着などで知られる大手スポーツ用品メーカーのミズノ(大阪市住之江区)。工事現場や引っ越しなどの作業に欠かせない企業ユニホームの開発を進め、売り上げを急激に伸ばしている。動きやすさや吸汗性、ストレッチ性などスポーツ用品開発で培った機能を応用。ワークウエアやワークシューズなどが、国内1600社以上で採用されている。自然災害が多い近年は、行政から防災服の引き合いも増え、「安心安全な社会」を支える重要な役割も担う。
スポーツと親和性
本社ビル内に設けられた商談室には、夏服・冬服、靴など仕事関連用品のサンプルが並び、さながらショップのよう。全体的にスポーティーな印象を受ける。
「スポーツとワークの動きは実は親和性が高い」
ワークビジネス事業部の箕輪陽一次長は「スポーツ分野で培った技術で、作業現場などの困りごとを解決するユニホームづくりに取り組んでいる」と説明する。
作業現場に欠かせない「安全靴」。ゴムや革製で、つま先は鉄芯で保護するなどの規定があるため、それだけ重さが増す。デザインも黒中心で味気ないものになりがちだ。
そこで、つま先に硬質樹脂を装着し、同程度の安全性を保ちながら軽量化した「プロテクティブスニーカー」の商品を開発。はき心地もアップし、メッシュタイプの中には約300グラムと抜群に軽い商品も。外観もかっこよく進化した同スニーカーは1万円を超えるが、「売れ筋」という。
同社では、スポーツでの身体の動きを3DCG(3次元コンピューターグラフィックス)で解析、設計するシステムをワークウエアに応用。汗による不快感を軽減する素材や、競技スポーツから生まれた高耐久素材など数々の機能を組み合わせ、職場環境にあったユニホームを提供している。
ウエアでは、企業と最初から作り上げていく完全オーダーメードのほか、組み合わせが800通り以上もあるセミオーダー、その他カタログ品はホームセンターや作業服専門店などでも取り扱う。
copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.
関連記事
なぜ、ユニクロは“やめた事業”を復活させたのか ユニフォーム会員が1万件を超えた理由
ユニクロが一度やめた法人・団体向けユニフォーム事業「UNIQLO UNIFORM」が再び注目を集めている。働く服の会員は1万件を突破したが、その理由は……。
