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「有隣堂」3店舗目の藤沢店が閉店 約2年かけて書店再生の実験店に:2027年末に閉店(2/2 ページ)
有隣堂は、開店60周年を迎えた藤沢店を2027年末に閉店する。約2年間かけて「これからの書店」をテーマにした実験的企画展を実施するが、その狙いとは。
企画展の第1弾は「小さな絶滅展」
企画展は1〜2カ月ごとに内容を変えて開催する。11月1日〜2026年1月4日の第1弾は「小さな絶滅展」。地球上で過去5回発生したとされる大規模な生命絶滅の歴史を、書籍、資料、立体展示を通して紹介する。
絶滅に関する書籍、図鑑、科学エッセイなどに加え、化石や恐竜フィギュア、絶滅動物の模型などを販売。フィルムカメラやアナログレコードなど、テクノロジーの進化の中で姿を消しつつある文化も“絶滅危惧的カルチャー”として紹介していく。
さらに単なる懐古にとどまらず、「便利さの裏で失われる価値」を問い直す場とし、文化の持続可能性を考えるワークショップも予定している。
企画展には初日から多くの人が訪れており、SNS上でも「思い出のある場所なのでまた通いたい」「閉店はさみしいが、この2年間を見届けたい」といった声が寄せられている。「単なる懐かしさではなく、『変わっていく過程に立ち合いたい』という前向きなかかわりが生まれている点が特徴で、回顧ではなく、これからを共有する動きが見られている」(同社)としている。
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