「PoC死」を乗り越えよ――AIエージェント時代に企業が回すべき「3つのエンジン」(1/2 ページ)
生成AI導入が進む中、多くの企業が「PoC死」の壁に直面している。AIエージェント時代を乗り切るには、全社員教育から実践、ビジネス開発へと進化する「3つのエンジン」を回す必要があるとスキルアップNeXtの田原氏は語る。
「AIエージェントなしでビジネスを回していくと、競争力を大きく損なうことになる」
AI開発のコンサルティング事業を手掛けるスキルアップNeXt(東京都千代田区)の田原眞一社長はそう語り、会社組織全体にAI活用、ひいてはAIエージェントを定着させることの緊急性を訴えた。
一方で、AI活用の重要性に気付いていても実際にはうまく定着させられず、足踏みしている組織が多くあるのも現実だ。こうした現状を打破するには「3つのエンジン」が必要になると田原氏は説明する――。
11月7日にクラウドインテグレーション事業などを手掛けるテラスカイ(東京都中央区)が主催したイベント「TerraSkyDay2025」で行われた講演「AIエージェント時代の組織戦略 『生成AI活用』を組織に根づかせるアプローチとは」から、内容を抜粋して紹介する。
AI技術は「過度な期待のピーク期」に差し掛かっている
田原氏は米調査会社ガートナーが提唱した「ハイプサイクル」を引用し、AI技術におけるAIエージェントは「過度な期待のピーク期」に位置していると紹介。ハイプサイクルとは、新しい技術やイノベーションが登場し、社会に普及していく過程での「期待度」の変動を視覚化したものだ。
「AIエージェント元年」とも称される2025年はこれから「幻滅期」を経て、日々の生活の中に当たり前のように浸透していくフェーズに移っていくとする。
AIエージェントとは、ユーザーのタスクを完了させるために、自ら計画を立てて行動する自律型AIのことだ。従来の生成AIがユーザーの問いかけに応答する「対話型」であるのに対し、AIエージェントは「自律的」に動く点が決定的に異なる。また、今後5年で業務の3分の2にAIが介入し、そのうち半分はAIが完全に代行し、残り半分は「AIとの協働」が必須になるという予測もある。
スキルアップNeXtは自社および顧客企業で、既にAIエージェントのビジネス活用を進めているという。以下がその一例だ。
- 営業部門で、AIが商談の録画データやノウハウを学習し、新人のオンボーディング(戦力として定着するまでのフォロー工程)を短縮。
- 人事部門で、採用候補者の選定から、カスタマイズされたスカウトメールの作成までをAIが実行し、採用活動の効率化に貢献。
- オペレーション部門で、従来の在庫監視にとどまらず、規定のフォーマットに合わせて発注書の作成や承認プロセスの一部までをAIエージェントが担い、人間の意思決定を促す。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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