相次ぐ「モバイルバッテリー」の発火事件 7割以上の若者が携帯してるというデータも 関連ビジネスが伸びる背景とは?(2/3 ページ)
発火事故が相次ぐモバイルバッテリー。経済産業省もついに対策へ乗り出した。周辺事情をまとめていく。
若者の7割がモバイルバッテリーを所持
事故が相次ぐとはいえ、モバイルバッテリーは欠かせないものになっている。特にスマホの使用頻度が高い若年層は持ち歩いている。N.D.Promotionが2023年に発表した調査結果によると、Z世代(1995年以降生まれ)の7割以上がモバイルバッテリーを日常的に持ち歩いているという。
動画やゲームなど、スマホの性能はガラケー時代と大きく変化している。その分、必要な電力量も増えており、電車移動時に10%、20%と充電が減るのはざらで、モバイルバッテリーなしでは1日もたない人も多い。
前述のアンケートではZ世代に対して「モバイルバッテリーにかける金額」も聞いており、最も回答が多かったのは「1000円〜3000円」(56.7%)で、その他も加えると7割弱が3000円以下の商品を選んでいた。
コンビニやテーマパークも関連サービスを開始
モバイルバッテリー需要が伸びる中、レンタルサービスも普及している。
ChargeSPOTはバッテリースタンドのQRコードを読み取り、電子決済で支払って利用するサービスだ。料金は利用時間に応じて変動し、空きがあれば借りたスタンドと別のスタンドに返却できる。
運営企業によると、6月末時点でスタンドの数は約5.5万台。47都道府県に展開しており、コンビニやゲームセンター、飲食店などに設置している。店舗側は集客効果を狙って設置する。
セブン、ローソン、ファミマのコンビニ3大チェーンや、東京ディズニーリゾートなどがスマホ充電レンタルサービスを提供しているが、いずれもChargeSPOTを利用している。東京ディズニーリゾートは紙のチケットを廃止し、アプリでの入退場管理に切り替えたため、場内でスマホが欠かせない。ファンによると、場内でモバイルバッテリーの持ち込みはもはや「必須」だという。
ChargeSPOTが展開し始めた2018年頃は他社のレンタルサービスも見かけたが、現在ではほぼChargeSPOTによる一強状態となっている。設置台数が多いほど有利になる勝者総取り方式のビジネスであり、ChargeSPOTが押さえた構図だ。
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