“紹介頼み”の営業に潜むリスク 6割がKPI未設定、ツール活用も大幅遅れ
ラクス(東京都渋谷区)の調査では、「紹介」が新規商談の中心を占めている実態が明らかになった。さらに、KPIの未設定や手動運用といった課題も浮かび上がっている。中小企業の営業現場では何が起きているのだろうか。
中小企業の営業パーソンは、いかにして新規開拓を進めているのだろうか――。経費精算などのクラウドサービスを手掛けるラクス(東京都渋谷区)の調査では、「既存顧客や知人からの紹介」が新規商談の中心を占めていることが明らかになった。
一方で、「紹介」を主力とする企業のうち約6割が、新規開拓業務の「明確な評価指標(KPI)がない」と答えるなど、課題も浮かび上がった。中小企業の営業現場では、何が起きているのだろうか。
「紹介頼み」の新規開拓 中小の課題浮き彫りに
新規開拓のために実施しているアプローチ手法について、最も多い回答は「既存顧客や知人からの紹介」となり60.7%に上った。「代表電話への架電や飛び込み営業」(30.7%)が続いた。
最も商談創出につながっている手法に限定すると、「紹介」が52.0%と半数以上を占める結果に。一方で、他の手法はいずれも12%以下にとどまった。「紹介」が最も確実で高成果を生む手法として中小企業の新規開拓をけん引している実態が明らかになった。
同社は「多くの中小企業にとって『紹介』に代わる再現性の高い能動的な新規開拓手法の確立が重要な課題である」とコメントしている。
新規開拓のKPI「設定せず」4割
新規開拓業務を評価する指標(KPI)について、39.0%が「明確に設定された指標(KPI)はない」とした。成果につながる活動を定量的に判断する基準を持たずに、日々の営業が行われているケースも多いと考えられる。
新規開拓を「紹介」に頼っている企業においては「明確に設定された指標(KPI)はない」とする割合が59.0%を占めた。同社は「『紹介』という受動的な手法への依存が、営業活動を管理・評価する仕組みの導入を遅らせる一因となっている可能性が考えられる」と指摘する。
「紹介頼み」の企業ほどツール活用に遅れ
新規開拓におけるツールの活用状況では、42.0%の企業が「ほぼ手動で行っている」と回答した。「紹介」を主力とする企業に限定すると、「ほぼ手動で行っている」は61.5%を占めた。全体平均より19.5ポイント高い結果となり、「紹介」への依存度が高い企業ほどツール活用が遅れがちであるという傾向が浮き彫りになった。
調査は10月6〜12日にインターネットで実施。従業員数300人以下のBtoB中小企業の営業職で、管理職を担う男女300人から回答を得た。
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