「打ちっぱなし」倒産、過去最多 “インドア型”急拡大の裏で
「ゴルフ練習場」は、屋外の打ちっぱなしとインドアのゴルフ場で競争が激化している。「ゴルフ練習場」を主に運営する企業の倒産は、2025年1〜10月で6件発生しすでに過去20年の年間最多を更新した。
東京商工リサーチが、屋外・インドアを含む「ゴルフ練習場」を主に運営する企業の倒産数(負債1000万円以上)を集計したところ、2025年1〜10月で6件発生し、すでに過去20年の年間最多を更新した。近年は駅前のビル内で見られるITを活用した「インドアゴルフ練習場」が台頭し、屋外施設との競争が激しくなっている。
2006年以降の推移を見ると、倒産数最多は2008年と2020年の5件だった。コロナ禍の2021年は1件、2022年はゼロ、2023年は1件、2024年は2件と落ち着いていたが、2025年に入り増勢に転じ、10月までに6件と年間最多を更新した。
小規模事業者を中心に「販売不振」が直撃
倒産6件の原因は全て「販売不振」であった。負債規模は「1億円未満」が4件(構成比66.6%)と小・零細事業者が中心だが、「1億円以上」も2件発生した。
屋外の打ちっぱなしは、広大な土地やネット、ティーアップ設備などへの投資負担の大きさから、都市部での新規開業は難しく、残存者利益が大きかった。一方で、施設の老朽化や運営コストの上昇が重なり、値上げが相次いだことで利用者離れが加速。顧客は競合施設へ流出し、さらにインドア練習場への乗り換えも続くなど、経営環境は一段と厳しさを増している。
インドアゴルフ場は新規出店コストが比較的軽く、街中に次々と出店が進む。通い放題プラン、プロレッスン、24時間営業などサービスも多様化し、インドア同士に加え屋外施設とも顧客獲得競争が激化している。屋外施設からインドアへ乗り換えた男性は「屋外でも弾道測定器を使うところはあるが、値上げが続いたため通い放題のインドア練習場に変えた」と話した。
東京商工リサーチは「新規プレーヤーがどの『打ちっぱなし』を選ぶのか、事業者も切磋琢磨が必要なようだ」と指摘している。
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