調査リポート
生成AIで消費者の「購買行動」はこれだけ変化した──電通デジタルが調査(2/2 ページ)
電通デジタル(東京都港区)が実施した最新調査では、認知から比較・購入に至るまで、オンライン接点の利用が年々拡大している実態が明らかになった。購買プロセスは今、どのように変容しているのだろうか。
比較せずに購入する生活者も
比較・検討プロセスにおいて「検討せずに購入した」とした人は24.8%に上り、コロナ禍前と比較して増加した。特に、ダイエット・健康および美容・コスメカテゴリーではこの傾向が高かった。一方で、共通して他者レビューの結果が購入行動と結びついている様子も見られ、「検討せずに購入した」という回答傾向と矛盾する様子が見られた。
同社は消費者の「検討」の捉え方が変化している可能性を指摘。「SNSや動画コンテンツなどで非能動的に触れる傾向が高まっているレビュー・口コミが、従来の多角的な情報収集とは異なるため、生活者が『検討』に該当しないと捉えている可能性が考えられる。今回の調査で示された『検討(を意識)せずに購入』の増加は、従来の購買モデルでは捉えきれない、生活者の購買行動の変化の兆候と捉えている」とコメントしている。
調査は5月22〜28日にインターネットで実施。20〜69歳の男女を対象とした。回答数は、スクリーニング調査が1万人、本調査が8700人。
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