調査リポート
来年の景気「悪くなりそう」過去最多、生活者の実感調査 上の年代ほど悲観傾向に
博報堂の調査で、来年の景気悪化を予想する生活者が45%に達し過去最多に。物価高と収入不安が、消費と貯蓄の両立志向を強めている実態が浮き彫りとなった。
博報堂のシンクタンク「博報堂生活総合研究所」は、全国11都市の20〜69歳の男女3900人を対象に実施した「2026年 生活気分」調査の結果を発表した。2026年の日本経済全体の見通しについて「世の中の景気が悪くなる」と答えた人が45.2%に達し、2015年の調査開始以来、過去11年で最多となった。前回調査(37.7%)からは7.5ポイント上昇した。
一方「良くなる」は9.3%にとどまり(前回10.8%)、「変わらない」は45.5%(同51.5%)とともに減少した。年代別では、景況感の悲観は年齢が上がるほど強く、20代では37.4%だった「悪くなる」が、60代では49.5%とほぼ半数に達した。
景気悪化の理由と生活者の意識
「悪くなる」と考える理由は「物価上昇の継続・加速」が55.0%で最多だった。「収入の減少」は14.1%にとどまった。
2026年に「お金をかけたいもの」では、「ふだんの食事」が23.1%で1位となり、「旅行」が22.5%、「貯金」が19.0%と続いた。「ふだんの食事」は、今年実際にお金をかけた割合(39.1%)に対し、来年の意向は16.0ポイント低く、物価高の影響で支出抑制の意識もみられる。
一方「貯金」や「老後の暮らしの準備」など、将来への備えに対する意向は上昇しており、貯蓄志向への転換が進んでいることもうかがえる結果となった。
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