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ポイ活の“改悪ラッシュ”はなぜ起きる? 企業とユーザーのプロレス的な関係「ポイント経済圏」定点観測(2/4 ページ)

企業が条件を絞るたびに「改悪だ」と炎上するポイ活界隈。しかし両者は対立しているようで、実は話題作りで利害が一致する“プロレス関係”にも見える。改悪ラッシュの裏側を読み解く。

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1万円が9700円になる日

 同時期に楽天も「改悪」を行った。

 コンビニで売られている「楽天ギフトカード(楽天POSAカード)」。楽天の電子マネーである「楽天キャッシュ」をチャージできるカードだ。ポイ活界隈では、このカードを経由する「楽天ルート」が定番の高還元テクニックとして知られていた。

 仕組みはこうだ。まず高還元のクレジットカードから「FamiPay」や「WAON」といったコンビニ系電子マネーにチャージする。ここでクレカ側のポイントが貯まる。次に、その電子マネーでコンビニのレジで楽天POSAカードを買う。電子マネー側でもポイントが付与される。最後に楽天キャッシュにチャージして楽天ペイで使えば、さらに楽天ポイントが貯まる。決済のたびにポイントが発生する「多重取り」である。

 このルートの肝は、POSAカードが「1万円で1万円分」という等価交換だったことだ。途中でポイントを稼いでも、最終的に届く金額が目減りしなければ、獲得したポイント分がそのまま利益になる。

 だが楽天は、この「等価交換」を覆した。購入額の約3%を手数料として差し引くと発表したのである(関連リンク)。12月15日から販売が始まる新カードでは、1万円のカードを購入しても、実際にチャージされるのは9700円にとどまる。


楽天、購入額の約3%を手数料として差し引く(出典:楽天)

 ポイ活の世界では、どんなに頑張っても還元率は2〜3%が限界だ。入り口で3%取られたら、ほぼ全てのルートが「逆ザヤ」に転落する。ポイント獲得のために現金の持ち出しが発生するので、本末転倒である。

 誤解のないように言えば、楽天キャッシュ自体が使えなくなるわけではない。楽天カードから直接チャージすれば、手数料はかからない。ただ、それでは「多重取り」ができない。あくまで「抜け道」の一つが塞がれただけだが、ポイ活ユーザーにとっては大きな痛手だった。SNSでは「楽天ルート終了」の声が相次いだ。

 これらは企業とユーザーの対立――。そう見えるが、果たして本当にそうだろうか。

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