ブルーカラーとて“安泰”ではない AI時代に最もリスクヘッジが利く「2軸スキル」とは?:石角友愛のキャリアコンパス(1/4 ページ)
DXでは、省人化・自動化を図る目的でAIによる業務代替が進行し、特にホワイトカラー領域で顕著です。ホワイトカラーへの雇用リスクが増大する中、人間だからこそできる、体を使った「ブルーカラーワーク」が再評価されています。
連載:石角友愛のキャリアコンパス
仕事観の変化やテクノロジーの進化によって、キャリアの「正解」は消滅した。複雑で高度化するビジネス環境で活躍し続けられる人材になるためには、市場の風を読み、自身でキャリアを作り上げていく必要がある。キャリアは一日にして成らず──シリコンバレー在住の石角友愛(パロアルトインサイトCEO・AIビジネスデザイナー)とともに、自分なりの「正解」を考えていこう。
DXでは、省人化・自動化を図る目的でAIによる業務代替が進行し、特にホワイトカラー領域で顕著です。筆者も企業のAI活用プロジェクトを支援する中で、人が担当するオフィス業務がどんどん少なくなっていくのを実感しています。
このようにホワイトカラーへの雇用リスクが増大する中、人間だからこそできる、体を使った「ブルーカラーワーク」が再評価されています。
AI時代に再評価されるブルーカラー
AIは企業経営や働き方に大きな影響を与えるようになりました。文章作成やデータ分析、事業企画に至るまで、以前は人が時間をかけて行っていた業務をAIが代替するようになったのです。最近では、イラストや動画制作といったクリエイティブな分野でもAI活用が進んでいます。その結果、これまで知的業務を担当してきたホワイトカラーの間で「自分の仕事がAIに取られてしまうのでは」という不安が高まっています。
そして、こうした不安は現実のものになりつつあるようです。国際労働機関(ILO)が2025年5月に発表した「Research Brief AI and jobs: A 2025 update」では、将来的に雇用の4分の1がAIに代替される可能性が示されました。また、米IBMやMicrosoft、Metaなどの巨大テック企業はすでに、AI代替による人員削減を進めています。
2025年8月に人材プラットフォーム「クロスワーク」を運営するX Mile(東京都新宿区)が実施した調査では、ホワイトカラーの約7割が「現場職への転職もあり」と回答しています。この調査結果は、ホワイトワーカーの雇用不安とブルーカラーシフトへの注目を示すものになりました。
製造、建設、物流、整備といった現場仕事のAI代替は、オフィスワークほど進んでいません。そして、これら業界の人材不足は深刻です。例えば、建設業の有効求人倍率は5倍以上と全産業の平均1.22倍を大きく上回っています(厚生労働省2025年8月発表)。物流業も有効求人倍率は2倍以上で推移しており、AI時代において現場仕事は雇用を得るうえで有力な選択肢といえるのです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
部下の意見「聞いて終わり」 ”傾聴地蔵”が崩壊させる組織、どう変えるべきか
「傾聴地蔵」という言葉をご存じでしょうか。組織を崩壊させる上司を指す言葉として注目を集めています。どのように崩壊させるのか、そして対策は?
生成AI時代に求められる「言語化力」 良い・悪いプロンプト例に学ぶ
ChatGPTの誕生により、生成AIと仕事をするのが当たり前になった今、あらためて「言語化力」の重要性が増しているように感じます。プロンプトを例に、生成AI時代における「言語化力」について解説します。
「中間管理職を減らしたい」企業の盲点 リストラで起こる、3つのリスクに備えよ
中間管理職を削減する動きが企業で広がっている。その中には企業が気付けていない「盲点」がある。備えるべき3つのリスクと対策と解説。
“静かな退職”は悪じゃない なぜ「日本人は休めない」のに「生産性が低い」のか
一時期に比べれば、日本の長時間労働もやっと改善され、残業を美徳とする社会の風潮も薄れました。しかし一方で、いまだに「うまく休めない問題」は解決されていません。
