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専有9平方メートル、家賃6万円 東京で「極小アパート」が埋まる理由(2/3 ページ)

東京都で家賃上昇が続くなか、通勤利便性と家賃の安さを両立できる「極小」アパートが若者に広がっている。

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産経新聞

入居率99.9%

 実家から勤務先まで1時間以上かかるが、ここなら通勤時間は約40分。狭いため洋服の収納は難しいが、「最近はあまり服を買わないようにしている。狭さにも慣れた」と言う。

 このアパートは、建物内にワンルームが15戸ある。外観上は約98平方メートルの土地に一戸建てが建っているような形状で、共同の玄関から別々の部屋にわかれる構造だ。

 このアパートのような“極小住宅”を約1500室取り扱っている不動産会社「スピリタス」(東京都港区)によると、入居率は99.9%。借り手の約9割は20〜30代だ。家賃が相場より3割以上安く設定されていることもあり、「空きが出て募集をかけると、次の予約まで埋まるほどの人気」という。

広さを求め…築30年超の物件へ

 一方、在宅勤務が浸透したことから、契約更新などの際に、広い部屋へと住み替える動きもある。そうした若者の間では、築年数が経過している「築古」(ちくふる)アパートが注目を集めているという。「築30年超」でも引き合いが増え、家賃は上昇傾向にある。

 「極小」「築古」のアパートが選ばれる背景には、家賃の急激な上昇がある。

 労務行政研究所の調査(速報)によると、東証プライム上場197社の令和7年度入社の大卒初任給は、平均25万5115円。前年度比で6.3%増え、昭和42年の調査開始以来、最高額を更新した。近年は上昇率も年々アップしている。

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 しかし、都内の家賃の上昇率は初任給を上回っている。不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)」によると、23区の単身向け賃貸住宅の家賃(11月)は11万9139円で、前年同月比16.1%増と大幅な伸びが続いている。

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