コラム
西武池袋本店はなぜデパ地下を刷新したのか 再編の先に透けて見える百貨店の行方(2/4 ページ)
西武池袋が、デパ地下の大規模リニューアルを実施した。果たして、斜陽産業と呼ばれる百貨店再生の起爆剤となれるのか。
フォートレスとヨドバシ、再編の帰結としての改装
西武百貨店がここまで大きなリニューアルに踏み切った背景には、資本関係の変化がある。
西武・そごうは、かつて親会社だったセブン&アイ・ホールディングスから、米投資ファンドであるフォートレス・インベストメント・グループ(以下、フォートレス)へと売却された。
フォートレスは、グループ全体の再編を進める中で一部店舗の売却を決定したが、その一つが西武池袋であった。売却先は、家電量販店大手のヨドバシカメラを擁するヨドバシホールディングス。これにより、西武池袋の土地と建物の多くはヨドバシ側が保有する形となった。
その結果、売り場面積の約半分がヨドバシカメラとなり、百貨店として使えるスペースは従来よりも大幅に縮小された。広さで勝負できなくなったため、百貨店側は商品の「選択と集中」を迫られたのである。
フォートレスの描く方針は明確だ。ラグジュアリー、ビューティ、フード、アート。この4領域に注力し、「富裕層向け」の百貨店を目指している。
今回のデパ地下強化は、この「フード」領域への注力を具体化した結果だ。
リニューアルされた売り場を歩いてみると、全体として価格帯がやや高めであることに気付く。日常使いできる商品もあるが、中心に据えられているのは「わざわざここで買う理由のある商品」である。ここからも、西武池袋が目指す「ラグジュアリー」化の一面が見て取れる。
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