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抹茶ブームで競合続々 ナナズグリーンティーは何で差別化しているのか?(3/3 ページ)

抹茶の人気が高まっている。インバウンドも追い風となり、抹茶を提供する店も増えている。そんな中、創業から高品質な抹茶にこだわっているナナズグリーンティーはどのように差別化しているのか?

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抹茶に続いて、ほうじ茶も高騰

 ナナズは、抹茶だけでなく「ほうじ茶」にも注力している。

 「創業時から、ほうじ茶をベースにした商品も提供してきました。抹茶と同じように『ほうじ茶ラテ』『ほうじ茶白玉パフェ』は定番スイーツとして支持されています。12月27日まで限定販売している『ほうじ茶のモンブランチーズケーキ(カシスソース付き)』も人気で、目標の2倍の売り上げを記録しています」


ほうじ茶のモンブランチーズケーキ(カシスソース付き)(画像:プレスリリースより)

 実は、抹茶に続いてほうじ茶もインバウンドや海外関係者から熱い視線を注がれている。

 「海外の人は『ローストされたお茶』として、ほうじ茶を好みます。抹茶とは違う穏やかで香ばしい風味、まろやかな味わい、低カフェインが支持されています」

 しかし、ほうじ茶でも価格高騰が起こっている。同社のほうじ茶の仕入れ先である、売茶中村(京都府宇治市)の当主・中村清孝氏は以下のように話す。

 「『日本茶を取り巻く環境は2024年までが旧世界、2025年は新世界』と話しています。ウチの仕入れ価格は約2年前と比べて抹茶は2.5倍、欧州系に人気のほうじ茶も高騰しています。『バブルでええやんか』と言う人もいますが、とんでもない。仕入れ価格上昇分を販売価格に転嫁できず、良質な茶葉の確保にも苦労しています」(中村氏)

 香りの人気以外に、見た目も紅茶に似ているほうじ茶は欧州の文化となじみやすいのか。

原料の安定調達に向けて「生産」に乗り出す

 ナナズの現在の課題は「良質な茶葉の安定確保」だ。朽網氏はどう考えているのか。

 「農業に関わり生産に乗り出すしかないと思います。2026年から取り組む予定で、まだ発表できませんが、取引先と連携して話を進めています」

 同氏は「日本は農業のような高度な一次産業を持っているが、担い手不足もあり持続可能な取り組みをサポートしたい」とも話す。農業法人への出資、収穫を終えた後の農家の雇用対策などを考えているようだ。

 海外事業もより積極的に推進し、2026年4月には米・ロサンゼルスに新店をオープン予定だ。「これまで海外はFC(フランチャイズチェーン)店が多かったのですが、直営店として運営します。需要がある国や地域に積極展開して良質な日本茶を訴求していきたい」と、朽網氏は狙いを話す。

 素材力の「質」と積極展開の「量」で、どうバランスを取っていくのか注視したい。


海外展開にも力を入れていく。写真は、2025年7月にオープンした米・ラスベガス店(画像:プレスリリースより)

著者紹介:高井 尚之(たかい・なおゆき/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント)

日本実業出版社の編集者、花王の情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。出版社とメーカーでの組織人経験を生かし、企業の経営者や現場担当者の取材をし続ける。足で稼いだ企業事例・ブランド事例の分析は、講演・セミナーでも好評を博す。

20年続く人気カフェづくりの本 ―茨城・勝田の名店『サザコーヒー』に学ぶ」(プレジデント社)、「なぜ、人はスガキヤに行くとホッとするのか?」(同)、「カフェと日本人」(講談社現代新書)、「『解』は己の中にあり」(講談社)、「日本カフェ興亡記」(日本経済新聞出版社)など著書多数。 E-Mail: k2takai@ymail.ne.jp


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