「いきなり!ステーキ」はどこへ向かうのか 焼き台をなくした新店舗に、創業者ポスターがなかった理由:インタビュー劇場(不定期連載)(4/5 ページ)
焼き台をなくした「いきなり!ステーキ」の新店舗を訪ねると、席は広く、肉はオーブン焼き、そして創業者のポスターがない。変わったこと、変えなかったこと、その境目で社長が何を考えているのか。
「怖さ」を感じている
土肥: 「いきなり!ステーキ」といえば、焼き台のイメージが強いんですよね。肉のグラム数を注文すると、その場でカットしてくれる。そして、焼き台でステーキを焼いてくれる。いわばショーを見ているように楽しめることも、店のウリだと思うのですが、新店舗ではそれを見れない。
オーブンに肉を入れて、数分待てば「はい、できあがり」となる。効率を考えれば、このやり方のほうがいいのかもしれませんが、効率を追求することで、これまでの「いきなり!ステーキ」らしさが失われるのではないでしょうか?
一瀬: 正直に言うと、焼き台をなくすることに「怖さ」を感じています。「いきなり!ステーキ」の特徴といえば、街の肉店のような楽しさもある。「300グラムください」と注文しても、295グラムのときもあれば、305グラムのこともある。このようなやりとりも、店内で味わう体験価値の一部になっているのではないか。
また、自分で選んだ肉をカットしてもらって、目の前で焼いてくれる。こうした演出も、お客さまに楽しんでもらえるのではないか。いまのところ、新店舗のカタチを全店に導入することは考えていなくて、まずはテストを重ねていきます。
オーブンを導入することで、実際にはどのくらい効率よく運営できるのか。エンタメ要素は薄れてしまうが、それでもお客さまは満足するのか。トータルで検証して、次の店をどうするか考えていきたいです。
土肥: 従来型の店舗は、創業者の一瀬邦夫氏が築き上げたスタイルですよね。今回、新店舗をオープンしたのは、その路線を見直す、いわば“軌道修正”という意味なのでしょうか?
一瀬: 創業者の思いは、大切にしなければいけません。その一方で、新しいことにもチャレンジしていかなければいけません。創業者はブランドの象徴でもありますので、軽視するつもりは全くないですね。
創業者が守ってきたクオリティーを落とさず、従業員をきちんと教育して、ブランドを大切に育てていく。その姿勢は、これからも変わりません。
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