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なぜ、森永ラムネは「受験生」に賭けたのか 夏のお菓子が変わった瞬間(5/5 ページ)

ぶどう糖90%の機能性が注目される中、森永ラムネは訴求先を「受験生」に絞り込んだ。夏に売れる菓子という従来の位置付けを見直し、集中の象徴として受験期の記憶に残る存在を目指した戦略とは何だったのか。

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50年以上をかけて積み重ねた記憶や安心感

 ぶどう糖90%の食品を製造すること自体は、技術的にそれほど難しくないという。実際、市場には類似の商品も展開されている。では、なぜ集中したいときのお菓子として森永ラムネが支持されるのか。

 要因はロングセラーブランドの強みと信頼感だ。機能面で差がなくても、50年以上をかけて積み重ねた記憶や安心感は簡単には作れない。幼少期に親が買ってくれた記憶を起点に、森永ラムネを身近な存在に感じる顧客は多い。こうした記憶が選択の場面で効いており、情緒的な価値が機能的な価値を上回ったといえる。

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情緒的な価値も支持を集める要因に

 集中ニーズに対応する戦略で需要を拡大した一方で、課題もある。ビジネスパーソンの喫食シーンを増やすことだ。ビジネスで集中が必要なシーンに訴求するプロモーションを展開できれば、さらなる伸びしろがあると見ている。

 「受験生の応援も継続しつつ、新たなステージとしてビジネスパーソンの集中にもフォーカスしたい」(小山内さん)

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50周年の2023年に生まれたキャラクター「ラムねこ」

 また、グミ市場の拡大で小袋キャンディー売り場の競争も激化している。グミを購入する顧客は多様な食感を求めており、森永ラムネもリフレッシュ、強炭酸、生ラムネ玉など、食感のバリエーションを拡大。ラインアップを増やしたことで、「森永ラムネ」の喫食シーンを広げている。

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商品ラインアップも拡大。ビジネスシーンでの需要拡大も目指す(筆者撮影)

 ぶどう糖への注目を逃さず新市場を開拓できたことに加え、ロングセラーブランドの安心感と情緒的価値を武器に、成長を続ける森永ラムネ。今後は、受験生だけでなくビジネスパーソンにとっても定番アイテムとなる可能性がある。

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