なぜ、森永ラムネは「受験生」に賭けたのか 夏のお菓子が変わった瞬間(4/5 ページ)
ぶどう糖90%の機能性が注目される中、森永ラムネは訴求先を「受験生」に絞り込んだ。夏に売れる菓子という従来の位置付けを見直し、集中の象徴として受験期の記憶に残る存在を目指した戦略とは何だったのか。
なぜ「受験生」に絞り込んだのか
ぶどう糖の有効性が各メディアやSNSを通じて自然発生的に広がったことから、同社は「ゲームをするとき」「勉強や仕事に集中したいとき」など、さまざまな喫食シーンに合わせて施策を展開していった。
コロナ禍でキャンディー市場は落ち込んだが、森永ラムネは販売規模を維持。テレワークやリスキリングの広がり、中学受験者数の増加など、集中を求めるニーズが背景にあると判断した同社は、訴求を「集中したいときにはラムネ」に絞り込み、2022年から”集中”の象徴として受験生をターゲットに設定した。
その狙いについて、小山内さんは「受験は人生で一度は経験する人が多い。受験時に食べた記憶があれば、それ以降も集中したいときに選んでもらいやすい」と説明する。
パッケージ裏面に赤シートをかざすと応援メッセージが現れる仕掛けを施したほか、2025年1月には「ラムネドットアート」という屋外広告を展開。約3万9000粒のラムネを並べて、受験生が頑張る姿を描く施策が話題となり、同月には「大粒ラムネ」の売り上げが前年比115%を記録した。
スタディプラスの「受験トレンド白書2025」によると、大学受験期に一番食べたお菓子で1位を獲得するなど、受験生の定番アイテムの地位を確立している。
受験生にフォーカスしたことは、売り上げの波にも影響した。もともとラムネ関連のお菓子は夏場に売れやすい商品だったが、受験シーズンである1月も伸びたことで、年間を通じて2つの販売ピークを持つ商品へと変化している。
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