連載
なぜ、味の素ギョーザは「売上日本一!」をやめ、「28年連続売上No.1」に切り替えたのか:スピン経済の歩き方(5/7 ページ)
2026年2月発売の新商品から「ギョーザ売上日本一!」のうたい文句を「28年連続売上No.1」に変更する味の素冷凍食品。これが意味するのは……?
強い「うたい文句」によるミスリードの危険性
「売り上げ日本一」「○年連続トップ」というワードのインパクトは強いので、宣伝文句として絶大だと説明する必要はないだろう。
一方で「日本一」というインパクトの強さがゆえ、受け取った側は勝手なイメージを抱く。厳密にはブランド全体の売り上げの話なのに、単一商品の売り上げが日本一だと、勝手に思い込んでしまう消費者もいる。売り上げが日本一ということは、市場シェアも日本一だと誤解する消費者もいる。
「うたい文句」とは諸刃の剣だ。消費者に深くササる強さがあればあるほど、イメージが暴走して誤認させてしまうものなのだ。
また、インパクトが強いだけに引っ込めたら「あれ? 日本一じゃなくなったの?」とか「売り上げトップから陥落したんだな」というネガティブなイメージを広める恐れもある。
「売り上げ日本一」「○年連続トップ」という「うたい文句」を使ってはいけないと言っているわけではない。このようなリスクを踏まえても「日本一」をうたったほうがいいという判断ならばやればいいし、その他の「武器」があるのなら、わざわざ「シェアや売り上げのアピール」にこだわらなくてもいいという話だ。
分かりやすいのは「大阪王将 羽根つき餃子」だ。
長く不動の王者だった味の素の「ギョーザ」を市場シェアで追い抜かしたワケだから、それこそパッケージに「ギョーザ市場シェア日本一!」と大きく打てばいいのに、今日に至るまでそのような表現は用いていない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
丸亀製麺は“讃岐うどん”の看板を下ろしたほうがいい、これだけの理由
またまた炎上した。丸亀製麺が讃岐うどんの本場・丸亀市と全く関係がないことである。このネタは何度も繰り返しているが、運営元のトリドールホールディングスはどのように考えているのだろうか。筆者の窪田氏は「讃岐うどんの看板を下ろしたほうがいい」という。なぜなら……。
「いきなり!ステーキ」はどこへ向かうのか 焼き台をなくした新店舗に、創業者ポスターがなかった理由
焼き台をなくした「いきなり!ステーキ」の新店舗を訪ねると、席は広く、肉はオーブン焼き、そして創業者のポスターがない。変わったこと、変えなかったこと、その境目で社長が何を考えているのか。
「イオンモール」10年後はどうなる? 空き店舗が増える中で、気になる「3つ」の新モール
かつて「街のにぎわいの中心地」ともいわれたイオンモールでも、近年は「安泰」ではない状況になっている。少子化が進む日本で大型ショッピングセンターが生き残る鍵は――。
「廃虚アウトレット」の乱立、なぜ起こる? 絶好調なモールの裏で、二極化が進むワケ
業績を大きく伸ばすアウトレットがある一方で、ほとんど人も来ず、空きテナントだらけのアウトレットが増えている。その原因は何なのか?
