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今や15年目の「まどマギ」、どう盛り上げているのか? 古参も新規も取り込む“入口の多層化”戦略を考察エンタメ×ビジネスを科学する(4/4 ページ)

「まどマギブーム」が今、再び勢いを増している。いかに力のあるコンテンツでも、公開から時間が経ったところから再び「熱」を取り戻すのは容易ではない。多層化したプロモーション戦略を考察する。

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露出が途切れたIPを新鮮に見せる鍵、“再発見”の作り方

 『魔法少女まどか☆マギカ』は13年ぶりの新作となる。

 空白期間が生じる理由やその期間はさまざまだ。作品固有の事情のみならず、アニメ産業全体の構造変化とも無縁ではない。市場規模が伸びる一方で制作コストの増加、人材不足は他業界同様に生じている。

 また、市場の拡大と共に消費者の目が肥え、各所からの品質に対する要求も上がっている。結果として、需要が伸びているのに、供給は追いつかないという状況だ。当然、人気IPであればクオリティーへの要求水準は高まりやすく、作品発表までの期間も長期化しがちである。

 作品公開から期間が空き、露出が途切れたIPの人気を再燃させることは簡単ではない。多くの場合、古参のコア層のみが残り、ライト層は離脱済みである。新規層の入口や、かつてのライト層の「再入場口」が必要となるが、期間が空けば空くほどその壁は高くなる。

 かつて人気だったIPが続編を公開するたびに人気が縮小する――。アニメに限らず実写映画やドラマでもしばしば見る流れである。

 ただ、近年のアニメにおいては、長い空白期間にも関わらず成功したIPもある。代表例が『シン・エヴァンゲリオン劇場版』『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』であろう。

 いずれも岩盤層とも言うべきコア層が存在しつつも、それだけでは説明できない規模の成功を収めた。当時のプロモーションに共通するのは作品そのものの品質に加え、「今から見始めても大丈夫」「久しぶりに見ても大丈夫」という動線が用意されていたことである。

 「まどマギ」においては、ジャック広告や体験型コラボでの露出に加え、狩野英孝氏の副音声コメンタリーを『ワルプルギスの廻天』への誘導路として機能させる狙いがあると考えられる。

 『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉』のプロモーションは、新規層に向けた入口の増加を試みている。特に初見の芸能人による副音声コメンタリーは、今後のアニメにおけるプロモーション手法として定着する可能性を秘めている。

 これらの、王道・新規手法の組み合わせにより、幅広い層を巻き込みつつある「まどマギ」。長い空白を乗り越え、新作映画を成功させることができるのか、注目したい。

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