なぜ「最強組織」から闇堕ち社員が続出するのか プルデンシャル、キーエンス、メガバンクの共通点:スピン経済の歩き方(2/6 ページ)
「最強」と称される名門企業で、不正や犯罪に手を染める「闇堕ち社員」が相次いでいる。背景には特権意識の肥大化や員数主義、日本の将来不安、そして「最強組織に選ばれること」を過度に重視する日本型エリート観がありそうだ。
「闇堕ち社員」が生まれるワケ
報道対策アドバイザーとして、これまで多くの企業などの不正や社員犯罪の対応に関わってきた立場から言わせていただくと、最も大きな要因は「特権意識のこじらせ」だ。
「最強」などと世間にもてはやされるうちに、単にその組織に属しているだけなのに、自分自身までが「特別な存在」だと勘違いして、法やモラルがぶっ飛んでしまう人は意外と多い。
実際、大企業や有名企業でハラスメントをしたり不正行為に手を染めたりした人にその動機や、冷静になってブレーキをかけようと思わなかったのかと質問すると、だいたいこんなニュアンスの答えが返ってくるものだ。
「ニュースなどで見て良くないことだと頭では分かっていたが、自分だけは大丈夫、許されるのではないかという甘えがあった」
要するに「最強組織」と自分自身を重ねてしまうことで、身の丈に合わない万能感に支配されて、金銭感覚がまひしたり、自分のエゴが肥大化したりして、一般庶民には理解し難い「暴挙」に出てしまうのである。
日本中がその名を知るような名門企業、あるいは霞ヶ関のエリート官僚など社会的地位の高い人ほど、こういう「慢心型の不正・犯罪」に陥りがちだ。
分かりやすい例が東芝だ。2017年に「不正会計問題」が発生したが、そこでは「チャレンジ」の名の下に、現場にプレッシャーをかけて「利益のかさ上げ(粉飾)」が行われていたことが明らかになった。
第三者委員会の調査報告書や専門家の分析で、背景には「名門意識のおごり」があったと指摘されている。「日本を代表する大企業」というプライドがあまりにも強くなったせいで、エリート幹部社員たちが「業績悪化」の現実と向き合うことができなかった。そこで彼らはその頭脳をフル回転させて、自分の手を汚さずに現場の社員に「利益のかさ上げ」という不正を行わせることで、業績悪化をチャラにしようと目論んだというワケだ。
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