顧客を絞り込んだツタヤ、大量閉店を回避するゲオ どこで違いが生まれたのか?:長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/4 ページ)
かつてCDやDVDのレンタル事業で好調だったツタヤとゲオ。しかし、ここにきて勝ち負けの差がはっきりと出ている。なぜ、このような差がついたのか?
ゲオが大量閉店を避けられているワケ
ゲオの特徴は、取扱商品を徐々に変えている点だ。
従来のDVDやCDなどのレンタルや販売は縮小している。それに代わり、スマートホンやPC、タブレットのリユースなどに注力しており、「地域の秋葉原」のような立ち位置を築いている。
ゲオとセカンドストリートは、販売商品が一部重複していることから、ゲオからセカンドストリートへの業態転換も可能だ。つまり、大量閉店せずとも売り上げを立て直せる手段を、ゲオHDは備えているのである。
また、セカンドストリートは、古着やバッグ、服飾雑貨のリサイクル品を中心にしながら、中古の家具や生活家電、宝石・貴金属なども取り扱っている。中古ブランド品買い取りの「買取大吉」や「大黒屋」の専門領域も、セカンドストリートがカバーしている形だ。
セカンドストリートの勢いもあり、ゲオHDは2026年10月1日に社名を「セカンドリテイリング」に変更する予定だ。リユースを最重要ビジネスと位置付け、世界のトッププレイヤーになることを目指している。
顧客を絞り込んだツタヤ
一方のツタヤは、2010年代初頭の最盛期には約1400店舗を展開していた。全国各地にツタヤがあり、まさに「流行の発信地」といった存在だった。当時はマクドナルドや吉野家、ユニクロや無印良品などに勝るとも劣らない大型ブランドという印象すらあったほどだ。
しかし、特にこの5年間で撤退が相次ぎ、むしろレアなブランドになりつつある。現在、DVDレンタルなどを取り扱う店舗は全国に400店舗ほど残っているが、今後さらに減るだろう。
現在力を入れているのは、祖業でもある書店事業の蔦屋書店で、国内に約30店舗を展開している。自社で運営する商業施設「T-SITE」の核店舗として入居することが多く、本好きやカルチャー志向の人から支持されている。かつてのツタヤに、名作映画から成人向けコンテンツまで、雑多なレンタル作品が並んでいた雰囲気は全く感じられない。ツタヤの衰退は、顧客を絞り込んだ結果とも言えるかもしれない。
また、ツタヤは現在、和歌山や佐賀などで図書館を運営している。このような、行政と取り組む図書館事業がさらに広がれば、社会的インフラとしての機能を担える可能性もある。
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