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会員数「1億人超え」 欧州最大ホテルチェーンが日本で仕掛ける“脱中国人依存”の戦略:2028年「ラッフルズ東京」上陸(2/3 ページ)

欧州最大のホテルグループである仏アコーが、日本をアジアの最重要市場と位置付け、積極的にビジネスを展開している。2028年には最高級ブランド「ラッフルズ東京」が上陸するなど、攻めの姿勢を崩さない。日本事業を統括するアコージャパンのディーン・ダニエルズ社長に、日本市場戦略の展望を聞いた。

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「日本の地方」へ送客 多国籍な集客でリスクを分散

 2024年に一斉開業した「メルキュール」「グランドメルキュール」は、地方に多くのホテルを構えていて、地方に送客することが可能だ。以前のインタビューで、ダニエルズ社長は「オーバーツーリズム解消の一助になる」と話していた。

 「現在は過去のパフォーマンスと比較すると、客室稼働率も客単価も上がっています。これは実際に、日本の地方を訪れる人が存在していることを意味します。オーバーツーリズム解消につながっていると考えます」

 インバウンドの動向で懸念されるのが中国市場だ。2025年末に高市首相による台湾有事の答弁に反発した中国政府が、渡航自粛を国民に呼びかけて以降、一部で渡航自粛の動きがある。だが、ダニエルズ社長は「当社へのインパクトは限定的」と話す。

 「(静岡県の)浜名湖や札幌市にあるホテルなど、一部に影響はありますが、当社の顧客層はもともと多国籍です。中国人観光客がコロナ前の水準まで完全に回復しきる前から、他国からの送客を強化してきました。特定の国に依存しすぎない構造が功を奏しています」

 今後は日本と同じ右ハンドルである英国や豪州、ニュージーランドからの観光客をターゲットに据えているという。「インバウンドは、バスツアーが多めでしたが、今後はレンタカーを利用するFIT(海外個人旅行)向けパッケージを用意してはどうか? と旅行代理店と話しています。まだまだ伸びしろがありますよ」

レベニューマネジメントにAIを活用 410日先までの宿泊料を予測

 訪日外国人が右肩上がりとはいえ、ホテル業界の競争は激しい。宿泊料の過度な割引などによる客単価の下落を防ぐため、同社はAI収益管理システム「IDeaS」を導入している。このシステムは、過去の宿泊データや市場トレンドをAIが分析し、410日先までの適切な宿泊料を1日3回予測するサービスだ。

 「ただIDeaSは『導入=即競争優位になる』ものではありません。同業他社も同様のツールを使える以上、もはや経営判断を支えるための必須インフラです。マーケットを俯瞰し、適切な価格を設定するのには役立っています」

 また、蓄積されたデータを活用し、顧客のニーズに合わせた体験を企画している。例えば、データから「アコーの会員にはテニスファンが多い」と判明したため、仏テニス連盟とコラボし、ジュニアシリーズの東京開催などを実施した(【欧州最大ホテルチェーンが、テニス「全仏オープン」とタッグを組んだワケ】参照)。今後はパリ・サンジェルマン(PSG)などのサッカーやバスケットボール(米NBA)の試合観戦など、スポーツに特化した体験をさらに拡充していく。

 ダニエルズ社長は「顧客体験が差別化のカギになる」と語る。日本でも茶道やキャンドルライトなど独自の体験を提供することで、宿泊プラスアルファのCX向上に取り組む構えだ。

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日本でも茶道やキャンドルライトなど独自の体験を提供。宿泊プラスアルファのCX向上に取り組む(アコー提供)

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