ヤマハはなぜ“六角形の船”を開発するのか 速さより居心地の良さを目指したワケ:「実証実験」の結果(3/3 ページ)
ヤマハ発動機が開発を進める「Sixフロート」は、滞在を楽しむ水上プラットフォーム。実証実験を通じて、どのような姿が見えてきたのか。開発担当者に話を聞いた。
販売は3年ほど先を予定
実証実験は、これまでに4回実施した。水上にこたつを置き、紅葉を楽しむイベントに参加した人からは「次は星空の下で寝転びたい」といった声もあった。
また、安全性の検証も行っている。Sixフロートの上を飛び跳ねても部材は外れないか、連結部に指をはさまないか、波を受けたときにどれほど揺れるのか。複数台を連結したほうが揺れを抑えられるという結果も出ていて、「実際に歩いてみると、桟橋の上にいるような感覚だった」(水谷さん)という。
販売は、3年後を目標にしている。現状、持ち運びや組み立てのしやすさに課題があるが、慣れれば組み立ては15分ほどで完了する。「普及させるには、アウトドアで使うテーブルのように、もっと扱いやすいモノにしなければいけない」(水谷さん)という。
ところで、Sixフロートはどこで開発しているのか。ヤマハ発動機は、かつて学校向けを中心にFRP製プールを手掛けてきた。そのときに整備した試験用プールを使い、開発を進めているのだ。
そこで検証しているのは、浮力、バランス、連結構造など。形状を少し変えては水に浮かべ、状態を確認している。ちなみに、夏、そのプールで従業員が泳いでいる……といった目撃情報は届いていない。
遠くへ行くための乗り物ではなく、速さを競うプロダクトでもない。水辺に出る理由をひとつ増やすためのモノだが、もしこれが普及すれば「週末、水上でゴロゴロしてきたよ」――。そんな会話が、あちこちで聞こえてきそうだ。
20XX年の辞書には、「水上昼寝」という言葉が追加されているかもしれない。
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